生きるヒント

◆夫と口論が絶えず、実家へ避難。将来が不安です(40歳・女性)

40歳女性。結婚して10年になります。同い年の夫との間に3歳になる娘が一人います。夫はフリーライターをしており、仕事が不定期で収入も多くありません。そのため、子育てをしながら私も正社員として働かざるを得ず、家事や育児の分担でこれまで口論が絶えませんでした。また、夫は宗教を毛嫌いしており、私の信仰にも反対しています。先日も、子供を連れて教会に参拝したことが気に入らず、帰宅すると怒鳴られました。いつもなら口論で終わるのですが、その日はかばんや本を投げつけてきたのです。幸い、私も子供も無事でしたが、今後また夫が激高した時に子供に何かあっては怖いと、実家に避難しました。事情を知った親は離婚を勧めます。私自身、夫への不信感は募るのですが、生活や子供の将来を思うと不安です。

◇回答者 沼田雄司

 生活の不安やご主人に対する心の葛藤を抱えながらも、仕事や子育てに励まれてきたのですね。10年間、精いっぱいご主人を支えてこられたのだと思います。

 誰しも平穏な家庭を望みますが、なかなか難しいものです。どの家庭でも、悩みの大小はもちろんありますが、安心と不安の間を揺れ動き、日々その状態が変化するのが常です。生活とはもともとそうしたことを含んでいるものです。

 さて、ご質問の中にも「子供に何かあっては」「子供の将来」と、娘さんを心配する心情が随所に表れています。不安な中でもまずわが子を思えるあなたは、本当に愛情深く、心の温かい母親です。

 では、あなたが自然とわが子を思えるのはなぜでしょうか。それは、あなた自身が両親の深い愛情に包まれて育ったからだと思うのです。「親は離婚を勧める」とありますが、あなたを心配するあまりのことかもしれません。

 今、大切なのは、あなたの優しさや温かさを育んだ両親の思いを、改めて見つめ直してみることです。親御さんがどんな願いの中であなたを育ててきたか、直接伺ってみてもいいでしょう。おそらく、今のあなたと同じように、たくさんの喜びや不安を感じながら子育てしてこられたはずです。

 さらに、あなたに実践して頂きたいことは、ご主人の両親の思いに心を馳せてみることです。私どもの信仰では、いのちの本である先祖や親を敬うことを大切にしています。義父母が息子の成長を願い、さらに今、あなたたち夫婦を案じ、見守る思いの深さ--。そうした親心に触れることで、ご主人に対する見方も温かいものに変わるかもしれません。そして、ご主人の前で、義父母を敬愛する言葉かけや触れ合いをしてみてください。そのあなたの姿を通して、ご主人が描いている信仰に対するイメージも、おのずと変化することでしょう。

 仕事の不安定なご主人を支えて、子育てをしながら正社員として働くことは、とても大変なことだと思います。一方で、今の社会情勢に鑑みたとき、恵まれているとも考えられます。不足に思う心というのは誰にでもあります。大切なのは、不足だけに偏らないこと。そのためにも、親への感謝、もう少し言うとご先祖さまへの感謝を持って生活することです。

 今すぐご主人への気持ちを切り替えることは難しいかもしれません。しかし、親子の関係、そこにある思いをかみしめる中で、必ずや道は開けていくはずです。信仰に反対しているご主人の言葉や行動も、いつかあなたの菩薩行を後押しする励ましに聞こえてくるようになるといいですね。