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●WCRP緊急プログラムへの参画
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米国・ニューヨークで2001年10月23、24の両日(現地時間)、『テロリズムの否定と、正義をともなう平和の推進――諸宗教は応答する』をテーマに開催された「世界の諸宗教指導者による国際シンポジウム」〔WCRP(世界宗教者平和会議)国際執行委員会〕では、「武力行使は課題の根本的な解決手段として不適切」と米英両軍によるアフガン攻撃に対し疑問視する文言を盛り込んだ「宣言文」が発表されました。
2001年10月24日 我々世界宗教者平和会議(WCRP)執行委員は、世界各国から集った諸宗教指導者とともに、テロと暴力に反対し、正義に基づく平和を構築すべくともに行動することを誓い、ここニューヨーク市に結集した。 2001年9月11日に発生した同時多発テロは、如何なる宗教の教えや原理によっても正当化し得ないものである。我々が信仰する諸宗教伝統の中には、無実の人々の殺戮を許すものはいささかも存在しない。そのような行いが、宗教の名のもとに行われることは、宗教の神聖を汚すものである。さらに、罪を犯した個人に対する責任を特定の人種や宗教全体に課すことは許されない。 このような罪を犯した個人は、適用されるべき法律によってその責めを負わねばならない。しかし、テロリストに対する裁きは、更なる無実の命を失う結果を招いてはならない。我々が信ずる宗教伝統の中には、厳格な非暴力の原則をもつものもあるし、自衛のための正当な武力の行使を限定的に許すものもある。こうした違いは存在するにしても、武力の行使は我々が直面する課題を根本的に解決する手段としては不適切であることについて、我々の見解は一致している。 我々は、国際社会がテロ行為への対抗措置を取ろうとするとき、その本来の意図が如何なるものであろうとも、文明間あるいは宗教間の衝突のひとつの現象であるというような印象を増長させてしまいかねないことを深く憂慮する。我々は以下に掲げる2つの理由から、そうした考え方を拒絶する。先ず第1に、テロと暴力は総ての人間社会に感染するものであり、ある特定の文明、人種、または宗教のみに責任を課すことはできない。第2に、30年に及ぶ宗教協力の経験が教えるものは、さまざまな宗教や文化は、我々を分かつものよりも、多くの共有しうるものをもつということである。 我々は、諸宗教と文化間の対話を深めることにより、このような危険な誤解に立ち向かう。こうした対話は、相互理解を深める手段を提供するものであり、我々が寛容、正義、人間の尊厳、平和といった共通の価値観を見出すことを可能とするものである。真実にして誠実な対話を通して、我々はお互いに深く共有する価値を見出すことができる。こうした共有された価値観は、人類を襲う広範な諸問題に取り組むための、宗教、文化、国家の垣根を越えた協力活動の基盤を提供するものとなるのである。 しかし、我々がより深い対話を目指そうとするとき、歴史の重荷を認識しなくてはならない。我々は、これまで宗教があまりにも度々、人々を傷つけ、分断し、抑圧するために利用されてきたという事実を痛みとともに認識している。宗教共同体は、これまで、人々の間に分断と敵意を生み出す、偏狭で、不寛容で、極端な教義の解釈を許してきたのである。そのような態度こそが、暴力を生み出す環境が作られるのを助長してしまったのである。真の対話こそが、過去の傷を癒す機会を与え、違いが尊重され、総ての人々の幸福が希求される人間社会を建設しようという我々の連帯と決意を強固なものにするのである。 真の地球共同体は、総ての人間の本質的な価値と尊厳を促進し、擁護するものでなくてはならない。9月11日の犯罪を行なったテロリストは、この原則を無視したのである。我々は、時や場所や生まれによって、1人の人間が他の人間よりも尊重されるべきであるといった観念を拒絶しなければならない。我々は、各々の宗教伝統がそれぞれの表現で、神聖な実在を解釈し、総ての人間の固有の尊厳と価値を唱えていることを喜び、再確認する。いのちの尊厳を認識し、いのちを尊重する世界を目指し、人間の基本的ニーズに応えうる社会の建設のために、我々は共に働く決意である。 そのためには、多くの人々が抑圧されているという真実の経験をもつこと、また、現状の世界構造下で、彼らの属する社会全体が貧困と暴力と不正に苦しめられているということに、我々があらためて目を向けることが必要である。地球上の大幅な不均衡は本質的に不正義であり、真の国際安全保障と矛盾するものである。我々は、政治、経済、社会の機構を強化するために協働する必要がある。そのことが人々の不満のもとを取り除き、テロリズムという間違った道へと人々を導いてしまいかねない不正義の根本的原因の除去へと繋がるのである。 我々は、人々の抱く不満の根本的原因に取り組むことは、決してテロ行為を許すことではないということを断言しなくてはならない。それはむしろ、個々人をそのような恐ろしい行いに導く要素を削減し、徐々に根絶してゆく最も効果的な方法のひとつである。こうした努力は、総ての国々と人々に相互の協力をさらに強化することを求めるものであり、我々宗教共同体は、そうした協力を支援するものである。 我々は、国際連合とその関連機関が新たな地球的協力のための適切な場であり、今回の悲劇に対する対応は、国連憲章に掲げられた目的と原則に対する我々のコミットメントを強固にするものであるべきであり、決して蝕むものであってはならないと考える。我々は、国連に対し、テロリズムに関する国連特別総会の開催を要請し、現存の国際法に基づきつつ、テロリズムに対抗するための包括的国際条約の締結を求めるものである。さらに、我々は、国際刑事裁判所の機能強化をあらためて要請する。 世界宗教者平和会議は、真実にして永続的な平和を求めて、世界の諸宗教共同体の協力関係の構築に30年間献身してきた。今日此処に、我々は、紛争和解、人権、軍縮と安全保障、平和教育、子供といった分野で、対話と協力へのコミットメントを新たにするものである。こうした分野における活動を通して、我々は、国連、その他の国際機関、各国政府、そして世界の善意の人々とともに、正義を求め、暴力を拒み、真の人間の安全と尊厳、そしてあらゆる人々の幸福の実現を目指す、真の地球社会を建設するために働くことを誓う。 |