子供に学んだ「やさしさ」
あるお子さんはとてもやさしい子でした。そして、運動会ではいつもビリであったというのであります。ある時、同じ組で走る生徒さんが足にケガをして包帯を巻いていました。8人で走るとすると、今年こそは7位になるかと、親は期待したそうです。ところが、そのやさしいお子さんは、ケガをした人を支えて、一緒に走り、ゴールの時は後ろから押してあげたというのです。ですから、また8位であったということであります。
親としては、一つでも上にいってほしいという気持ちはあるでしょうが、またビリになったということに非常に大きな価値があります。
やさしいお子さんを見ると、必ずしも競争に勝ち抜くこと、戦うことだけが人間の価値ではないと知っているようであります。私たちはとかく「頑張れ」「もっと努力しなさい」「勉強しなさい」と尻を叩くことが多いのですが、あまりそれをしてしまうとやさしい人は育ちません。私たちは、ぜひ、やさしいということの価値を十分認識して、育てていくことが大切だと思っています。
『佼成新聞』より