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『エネルギー基本計画』に対する見解


平成26年6月20日
立正佼成会

 平成26年4月11日、政府は中長期のエネルギー政策を示す新たな『エネルギー基本計画』を閣議決定しました。この中で、原子力が重要な「ベースロード電源」として位置づけられ、原子力発電所(原発)を再稼働していく方針が示されました。

 立正佼成会は、平成24年6月18日、「真に豊かな社会をめざして――原発を超えて」を発表し、原発によらない社会の実現を呼びかけました。今回の『エネルギー基本計画』に示された原子力発電の推進に対し、本会は強く反対の意を表するものであります。

 東京電力福島第一原発の事故は、発生から3年以上経った現在も収束のめどは立っておらず、事故の全容解明も進んでいません。加えて、事故により生活や家庭の基盤を失い、避難を余儀なくされた人々がいまだに14万に及んでいます。こうした状況の下で、原子力を「ベースロード電源」と位置づけ、「原発の再稼働」、さらに「原発の輸出」の政策を進めていくことは、国民に再び過酷事故が起きる危惧を抱かせます。各紙の世論調査でも、再稼働に反対する声が賛成を上回っており、とりわけ福島の人々の憤りの声は大きいものがあります。

 『エネルギー基本計画』には、「震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直し、原発依存度を可能な限り低減する。ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない」と明記されています。しかし、原子力を「ベースロード電源」とし、具体的な政策が示されている一方、「再生可能エネルギー」は「重要な低炭素の国産エネルギー源である」と位置づけられているものの、積極的に推進する具体的な政策がほとんど見受けられません。ここには、「原発回帰」の政策意思が明確に示されています。

 原子力は「未来の安全なエネルギー」と言われ、私たち国民は原発の恩恵にあずかってきたのも事実です。しかし、ひとたび事故が起きれば、甚大な被害をもたらすことを思い知らされました。原発の危険性を指摘する意見があったにもかかわらず、そうした意見に耳を傾けることなく「安全神話」をつくりだしてきた政治家、行政機関、電力会社および原発関連企業、原子力研究者、マスメディアの責任は大きいと言わねばなりません。そして、原発の負の部分から目をそむけ、経済的な豊かさのみが人間の幸せの源泉であると信じて、その依存度を高めてきた責任――それは私たち一人ひとりにあります。

 今、私たちに何よりもまして求められているのは、多くの犠牲の上に際限なくエネルギー消費を拡大してきた価値観や生活スタイルを見直すこと、具体的には、各人が「少欲知足(足るを知る)」の生活に努め、徹底した省エネルギー社会を築いていくことです。本会はその実現に向け、今後とも多くの人と手を携えて取り組んでまいります。

(平成26年6月27日 立正佼成会)