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『「憲法改正」に対する見解』発表の経緯 外務部長 根本 昌廣


本会は、現憲法を「一文たりとも変更してはならない」という立場は取っていません。改正という行為そのものを否定するものでもありません。そもそも現憲法の第96条には改正規定があり、人権意識の高まり、国民生活や社会の課題に対応するために必要な場合があり得ると考えています。
一方、現在、各党から出されている「改正案」の中には、憲法前文や第9条を改定し、軍事力を拡大するとともに集団的自衛権の行使を認めていく内容が見受けられます。このような改定は、国の根幹である「平和主義」を脅かし、日本のみならずアジアや世界の平和を損なう危険性をはらんでいると懸念しています。教団では、仏教的観点から日本の歴史や世界の現状を見つめ、憲法の「平和主義」について改めて議論を重ねて、今回の見解を発表することになりました。
人類は、大いなる一つのいのちに生かされた「兄弟姉妹」でありながら、長く争いを続けてきました。2回の世界大戦が起きた20世紀は、「戦争の世紀」とまで言われました。争いの大きな原因の一つは、「わが国と他の国」「わが民族と他の民族」というように物事を「自他」に区別し、二項対立的に考える人間の心にあると教えて頂いています。「人類は兄弟姉妹」と考えるか、二項対立的に考えるかでは、世界の「現実」に対する見方、考え方、その後の行動はまったく違ったものになります。平和を築いていくには、対立的な発想を転換していかなければなりません。
「平和憲法」と言われる現憲法前文と第9条は、不殺生や一乗を説く仏教に相通じます。国や民族、宗教や文化の違いを尊重しながら相互の信頼を醸成し、国同士の困難な問題に対しても平和裏に共通基盤を見いだしていこうとする姿勢は、今後の日本と世界の平和にとって不可欠であるはずです。
憲法の改正は、国のあり方や将来の世代に大きな影響を及ぼします。大きな視点に立った国民的議論が必要です。未来世代に対する責任として、私たちには、この問題に主体的、自主的に向き合っていくことが求められます。
会員の皆さまには、今回の「見解書」にじっくり目を通して頂くことをお願いします。また、外務部としてはご要望があれば、教会にうかがい、皆さまと直接語り合う機会を頂ければありがたいと思っております。

 

(2012.11.16記載)