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広島教会・「ピースボランティア」に励む青年たち


広島は8月6日、63回目の原爆の日を迎えました。今年も、夏休みを中心に各地から多くの学生部員が同地を訪れ、核兵器の恐ろしさ、平和の尊さを学んでいます。こうした広島での平和学習は、特定非営利活動法人「ヒロシマ宗教協力平和センター(HRCP)」の協力によって進められてきました。特に3年ほど前からは、HRCPのピースボランティアに広島教会青年部の10代、20代の有志が続々と加わり、平和記念公園内の案内や説明にあたるガイドとして活躍しています。戦後60年以上が経ち、戦争の風化が懸念される中、原爆の悲惨さ、平和の尊さを伝えようとピースボランティアに励む戦無派の青年部員たちに胸の内を聞きました。

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ピースボランティアの青年部員たちは、平和記念公園での実地研修に臨み、ガイドに備える


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平和記念公園内にある原爆の子の像。核兵器の恐ろしさを世界に伝えている

広島平和記念資料館の発表によると、昨年度の入館者数は133万9400人に上り、10年ぶりに130万人を上回りました。立正佼成会からも、各地の学生部員が平和学習のため同地を訪れ、HRCPにピースボランティアを依頼しています。HRCPは平成11年の設立以来、約1万4000人の案内を務めてきました。
現在、同ボランティアに登録し、平和学習参加者に原爆ドーム、原爆の子の像、同資料館などのガイドを行っているのは、広島教会の会員有志を中心に学生や会社員、主婦ら17歳から81歳までの43人。このうち7人が、10代、20代の青年部員です。
岡原さん=同教会=は、爆心地から3キロ離れた自宅で被爆し、背中にやけどを負った祖母の存在が、参加の大きな動機となりました。「広島市民として、原爆の悲劇を伝えるべき」と感じています。
岡原さんのように、被爆地の思いを伝えたいと考えている青年は多くいます。加藤さん=同教会=もその一人です。親の世代でさえ戦後生まれの青年部員にとって、原爆の惨禍を伝えることには、常に不安が付きまといます。「(原爆の恐怖を身をもって体験した人たちと)仮に同じことを説明しても、言葉の重みが違うように感じます。やはり、体験された方の一言一言には、(核兵器の恐怖を)考えさせる力があるというか。どこまで伝えられるのかと葛藤(かっとう)があります」と漏らしました。山瀬さん=同教会学生部長=も加藤さんの言葉にうなずき、「どこまで自分が体験した人々の思いになれるのかが課題」と話しました。

戦争を知らないということを自覚しながら原爆や戦争の悲惨さを伝えることに戸惑いながらも、青年部員たちは、担った役割を果たすための努力を惜しみません。被爆者の証言、資料を通して学びを深め、相手が理解しやすい言葉遣いや情報の提供を心掛けました。
小学校低学年の児童には易しい言葉で語りかけ、女子生徒が多い場合には、当時の女学生のエピソードを盛り込みます。さらに、平和学習の参加者一人ひとりに、「もし自分が当時の学生だったら」と自分の立場に置き換えて考えてみることを勧めています。
平和学習の参加者と同年代のボランティアだからこそ、「同じ目線で戦争や平和の意味を考えることができるかもしれない」と、同ボランティア最年少で平成生まれの山下さん=同教会支部学生部長=は言います。
また、青年たちは自らの言葉で、仏教的な平和観を伝える工夫も始めています。平和の大切さ、史実としての惨禍を説明するとともに、戦争が起こる原因は何かを問いかけ、過去の出来事ではなく、自らの課題として考えてもらえる触れ合いを心掛けてきました。「一人ひとりが、自分のいのちの尊さ、有り難さに気づけば、自然と戦争は起こらないはず。原爆の悲惨さ、核兵器の廃絶と同時にそのことを一番伝えたい」と細光(ほそみつ)さん=同教会支部学生部長=は、自分に言い聞かせるように語りました。

同ボランティアに参加してから、広島での原爆被害のほか、世界や社会の動きにより深く関心を持つようになったと彼らの多くが口にします。
核兵器を保有する国が拡(ひろ)がる現状、民族間の紛争に胸が痛むといいます。「戦争が起これば必ず誰かが犠牲になる。良い戦争なんて有り得ない」(山瀬さん)。また、「一食(いちじき)を捧げる運動」「アフリカへ毛布をおくる運動」など本会が進める平和活動を通して、平和実現に貢献したいと考えるようにもなりましたと話します。
核兵器のない平和な世界を目指して取り組みを続ける青年部員たち。HRCPの事務局長を務める上田さんは期待を込めて、「学んだことを伝えきれないと壁にぶつかり、苦しむことはあるでしょう。それでも、今後も一層、広島の願いを語り継ぐ青年が増えていってほしい。彼らには平和のために大きな役割があると思っています」と言います。
石山さん=同教会支部学生部長=は、「次の世代を担うのは僕たち。だからこそ、歴史の橋渡しをしていかなければ」と決意を語りました。8月末まで、各教会の平和学習は続きます。

(2008.08.26記載)