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長年の夢を果たし、教壇に立つ京都教会の中村さん
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中村さん=京都教会=は長年の夢を果たし、今年4月から、京都市内にある母校の鳥羽高校定時制で教壇に立っています。人生経験を生かし、「母」のやさしい眼差(まなざ)しで生徒たちとの触れ合いを続けています。 |
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中村さんは国語の非常勤講師として週に3回、授業を受け持ちます。クラスにはさまざまな生徒が集まります。大工のA君は最初、作業着にはちまき姿で現場から駆けつけました。「仕事帰りに大変ね。高い所での作業だから、気をつけてね」。中村さんがそう話しかけたのをきっかけに、何でも話し合える間柄になりました。質問に答えられない生徒に隣からそっとノートを見せるA君。中村さんがその優しさを褒めると、A君の顔がほころびます。 「勉強よりも人を思いやる心の方が大切。生徒さんと心の触れ合いができることが一番の幸せ」と中村さんは語ります。 物心ついたころから教師になる夢を抱いていた中村さんは、苦しい家庭の経済状況から大学進学を言い出せず、高校卒業後、就職しました。その後、離婚を経験。一人娘を抱えて働きづめの人生を送りました。母親を介護するため62歳で退職したあと、胸に秘めていた夢が湧き上がりました。周囲の勧めもあり、母校の鳥羽高校、立命館大学と進学し、教員免許を取得しました。 通学時に母親の介護を手伝った3人の妹たち、教師を目指す中村さんを励まし、後押しした高校の担任、中村さんの採用を府に掛け合った高校の副校長。「多くの支えや応援のおかげで今の自分がある」と中村さんは感謝しています。 働く苦労やつらさを知る中村さんは、授業中、居眠りする生徒には「しんどいだろうけど、頑張ろうね」と背中をさすって励まします。座る姿勢の悪さを注意した生徒の足が、立ち仕事でパンパンになっていることに気づき、「ごめんね、知らなくて」と謝ったこともあります。今、大正時代の労働者の様子を描いた小説を教材に、毎回、手書きのプリントを用意して生徒たちと共に文学に親しんでいます。 学校を休みがちだったある女子生徒は、髪を染め、派手なメークと洋服で飾っていました。だが、手紙の書き方を学ぶ授業の際、きれいな字で伝えたいことを簡潔にまとめ、相手を思いやる心であふれるその生徒の文面を見て、中村さんは感嘆しました。 『こんな素晴らしいお手紙を頂いたお友だちはうれしいですね』。中村さんがそうコメントを添えてたたえると、その生徒は毎回欠かさず授業に出席するようになりました。メークも落とし、今、生き生きと学校生活を送っています。 「生徒さんたちのありのままを見ることで、一人ひとりの素晴らしさに気づかせて頂きます。私が学ぶことばかりです。私も教師1年生。生徒さんと共に成長していきたい」と中村さんは話しています。 |
(2008.10.10記載)
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