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秩父教会・麻柄(まがら)さん、ブラジルに眠る父のもとへ


ブラジルで果たした亡き父との「対面」--。麻柄さん=秩父教会=は先ごろ、没後42年目にブラジルで見つかった父の墓を訪れました。墓参を実現させたのは、日本、ブラジルのサンガや現地の人々の温かい支えでした。

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麻柄さんの父と母は昭和38年、開墾者としてブラジルに移民しました。3年後、父は肝臓がんで他界。その3カ月後、母は日本に帰国する途中、船から身を投げました。麻柄さんが生後9カ月のときでした。
母の遺骨は日本に送られました。だが、父の遺骨や墓はないと麻柄さんは幼い頃から聞かされて育ちました。父の遺影が心の支えでした。
15年前、麻柄さんは佼成会に入会。その後、秩父教会を訪れ麻柄さんの事情を知った根津益朗元副理事長や酒井教雄参務の尽力により、ブラジル教会のサンガが父が亡くなった後の調査にあたりました。
父の墓が見つかったと、思いがけず現地から連絡が入ったのは昨年8月のことです。父の葬儀に参列した日本人との出会いがきっかけとなりました。麻柄さんは信じられない気持ちでした。
今年9月、麻柄さんは姉、秩父教会のサンガと共に現地を訪れました。永嶋孝至教会長らブラジル教会の会員、酒井参務夫妻も現地で付き添いました。
父の墓はパラ州トメアスの小高い丘の上にひっそりと建っていました。墓守をしていたのは、両親と共に移民した人とその家族でした。〈長い間こんなにも父のことを思ってくれていた〉と麻柄さんは感謝の思いが込み上げました。
麻柄さんは墓前でサンガと共に両親の慰霊供養を行いました。過酷な労働や環境の中、必死に生きた両親の苦労、そして幼い子供たちを残していかねばならなかった無念さに思いをはせ、心から二人の成仏を祈りました。
ブラジル教会のサンガは、まるで家族のように親身になり麻柄さんと喜びを分かち合いました。42年前、孤児となった麻柄さんたちを帰国するまで預かった元サンパウロ領事館員の家族にも会えました。
「多くの方々のご縁に導かれて父のもとに来ることができました。今まで頂いた多くの人の優しさを、出会う一人ひとりにお返ししていきます」

(2008.11.07記載)