解雇を挑戦のチャンスに 夢を追う下関教会・伊佐さん
|
深刻な不況が続く中、伊佐さん=下関教会=は昨年末、勤務先から解雇通達を受け、退職しました。しかし逆境を新たな挑戦のチャンスと受け止め、2月から病院で看護助手として勤務。長年の夢だった看護師を目指して歩んでいます。
|
 |
|
|
プレス工場の社員として働いていた伊佐さんは昨年12月、会社の業績不振を理由に突然リストラされました。気持ちを落ち着かせようと、朝夕の三部経読誦(どくじゅ)を始めました。 当初は、ご供養をするたびに悔しさが込み上げ、やるせなさが募りました。だが、経典の意味をかみしめながら読誦修行を繰り返す中、『五百弟子受記品第八』の『衣裏繋珠(えりけいじゅ)の譬(たと)え』に大きく心を揺さぶられました。「ダメと思っていた自分にも仏性という宝があり、すでに救われているのだと分かったら、不思議と前向きになれました」。 ご供養後には、これまでの人生を振り返りました。人間関係でつまずき、失敗すれば問題を直視せずに逃げてばかりの人生でした。自分の意にそぐわなければ、何事も人のせい、環境のせいにしてきたと痛感しました。 給与などの待遇にとらわれず〈人の役に立つ〉ことを念頭に据え、職探しを始めました。父が病気のために38歳で他界したこともあって志した看護師への思いが再燃しました。 伊佐さんは、2月中旬から福岡県内の病院で看護助手として働き始めました。患者の食事の準備やトイレ、車イスの介助などにあたり、患者の心に寄り添って話を聞きます。「ありがとう」という患者の感謝の言葉が何よりの喜びとなりました。 一方で、看護師や医師から失敗を厳しく指摘され、現実の厳しさも実感し始めています。失敗を謙虚に受け止め、成長の糧ととらえるよう心がけています。 看護師への道には、看護学校の入学試験、国家試験など難関が待ち受けています。しかし、投げ出さずに挑戦し続けるつもりです。「以前の私には根性も信念もなかった。でも、今は自分の可能性を大切に、信念を持ってやり遂げたい」と語ります。 リストラ宣告から5カ月。自己を見つめ直し、今は感謝で受け止めています。「リストラされたことに恨みはありません。そのおかげさまで生まれ変わるチャンスを頂けたのですから」。そう話す伊佐さんの眼差(まなざ)しは力強いです。
|
(2009.06.10記載)
back
page up