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懸命に生きるいのちと向き合う鳥取教会の深本さん
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深本さん=鳥取教会=の長男が満1歳を迎えた7月17日、バースデーケーキに1本のろうそくが立てられました。深本さんにとって忘れられない一日です。「本当に長い1年でした。まさか誕生日を迎えられるなんて......」。自宅のベビーベッドに横たわる長男には、人工呼吸器や脈拍数、血中の酸素濃度を測定する医療器具がつながれています。時折、表情を変えるだけで、耳もほとんど聞こえず、発語することもありません。食べることができないため、日に5回、栄養剤を投与します。深本さんは今、わが子と一緒に時を過ごす喜びをかみしめています。 |
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長男を出産した昨年、深本さんは待望の男子誕生の喜びもつかの間、医師から宣告を突きつけられました。染色体に異常があるため、口と足に障害を持ち、心臓に穴が開く心室中隔欠損症を抱えていました。 何よりも衝撃だったのは、この病気を患う乳児は短命で、1年間生存できるのは1割に満たないという厳しい現実でした。「息子がいつ死んでしまうか分からないことにがくぜんとしました。男の子がほしいと望み、出産した自分を責めました」。現実を受け入れられず、心を静めようとご宝前に向かってご供養をしても涙は止まりませんでした。 米山支部長は深本さんの背中をさすりながら「自分を責めないで」と優しく包み込みました。 その後、米山支部長から教会の朝の読経供養に参加するよう誘われました。息子のいのちを救ってほしい一心で、毎朝道場に足を運びました。読経供養後には、法座に参加。そんな中で、ふと、今までの自分はどれほど子供と真剣に向き合ってきただろうかと自問しました。 それまで夫婦共働きだったこともあり、子供たちと十分に触れ合えず、寂しい思いをさせてきたことを痛感しました。少しでも長く一緒に子供と過ごしたいと、枕を並べて寝るようになり、子供たち一人ひとりと会話をする機会も増えていきました。 昨年11月、深本さんは「青少年 本部参拝」に参加。自らを見つめ、現実を受け入れる覚悟を決めたいとの思いがありました。参加した青年婦人部員は、育児や仕事、夫や姑との問題から目を背けず、前向きに歩んでいました。そんなサンガから勇気をもらいました。 以前は、長男と同じ月齢の子供を見ればうらやましく思い、妊婦を目にすれば「きっと元気な子を産むのだろう」と嫉妬(しっと)しました。しかし、本部参拝を通して、ご本尊を前に誓願を立てることができました。〈息子を人と比べることなく、大切ないのちとして一生懸命育てていこう〉。 昨年の大みそか、長男と一緒に過ごしたいという家族の強い願いから、医師の許可を得て在宅療養が始まりました。3人の娘たちは、長男に付きっきりになる深本さんを責めるどころか、進んで弟の耳元で名前を呼び、声をかけました。脈拍数と血中の酸素濃度が低下した際に作動するアラームを聞けば、すぐに知らせてくれました。娘たちも成長してくれていると気づき、頼もしく思いました。夫とは毎晩、長男のその日の体調などを報告しながら、家族そろって一緒に過ごせる喜びをかみしめ合いました。 長男が生後半年を迎えたころ、亡き父への思いが強くわきました。〈生後半年の私を残して他界した父は、どれほど身の切られる思いであったか......〉。"命のたすき"をつないでくれた父に対し、心から感謝することができました。 息子がいついのちを落とすかもしれないという不安はぬぐいきれるものではありません。それでも深本さんは、ただ息子のそばにいられること、息子が生きていてくれることだけでも幸せを感じられるようになりました。「父の思いや家族の大切さ、生を受けている一瞬一瞬が仏さまからの尊い贈り物であることに気づけました。長男は私に大事なことを教えながら、懸命に生きています。掛け替えのない宝物です」。 |
(2009.09.11記載)
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