サクランボの樹とともに夫婦で働けるありがたさをかみしめる鶴岡教会の亀井さん
|
果樹園の一角にあるサクランボの樹。前日まで青々と茂っていた葉が、弱々しくしなびている姿に亀井さん=鶴岡教会=は驚きました。園内を見回ると、25本あるすべての樹が弱り、付き始めた実もしおれていました。 |
 |
|
|
技術指導員に点検を依頼すると、除草剤がまかれた可能性があると説明されました。サクランボは病気や害虫によって腐敗しやすいため、消毒をしなければなりません。その農薬と除草剤を取り違えてしまったことに気づきました。 サクランボは亀井さんの果樹園で主力の作物です。庄内地方には適さないといわれていたさくらんぼを努力によって育てただけに自負心がありました。 〈何という失敗をしてしまったんだ〉。自らの行動を悔やみ、樹まで枯れてしまうのではないかと不安で夜も眠れなくなりました。 佐藤支部長が果樹園を通りかかったのはそんなときでした。事情を聞いた佐藤支部長は、「物事は良いほうに受けとめましょう」と話し、仏のものの見方に立つ大切さを伝えました。亀井さんは、毎年サクランボが実ることを当たり前と思い、自信過剰になっていた自分の姿を思い返しました。 その後、事情を聞いた多くのサンガが亀井さんを心配し、電話や訪問を通して励ましの言葉をかけました。サンガの温かさに触れ、多くの支えに感謝するとともに、80歳を過ぎても夫婦で元気に働けることがどれほどありがたいことかに気づきました。また、長年、文句ひとつ言わずに亀井さんを支え、ともに働いてくれた妻に対しても感謝の足りない自分だったと反省しました。 「60年もの間、私とともに歩んでくれてありがとう」。妻に伝えると、恥ずかしそうにうなずきながらも喜んでくれました。サクランボの損害は大きかったものの、「すべては感謝の足りない自分に気づかせてくれるための仏さまのお慈悲だった」と、夫婦でかみしめることができました。 枯れ葉が取り除かれた果樹園で亀井さんは、「悪かったのぉ」「来年は頑張ろうな」と樹に手を当てて語りかけています。 |
(2009.10.30記載)
back
page up