生活のなかに生かす「ご法の習学」
今をどう受け止めるか
先日、ある教会の青年婦人部員さんが「夫がリストラに遭ったんです」と、深刻な問題にもかかわらず、明るく前向きにこう語っていました。
なぜ、その方は大変な状況にありながらも、前向きにいられるのでしょうか。それは、ご法をよりどころに《今を大事に、今を有り難く生きよう》と努力しているからだと、私は信仰を持つ者のたのもしさを強く感じさせていただきました。
不況の世の中ですから、誰しも将来に対して何らかの不安を覚えるのは当然のことです。しかし、不安を抱いたままで私たちの未来が変わるわけではありません。
会長先生は日ごろから、過去を悔いたり未来を憂えたりするのではなく、「今」を大事にして生きていくことを教えてくださっています。
私たちの目の前にはいつも「今」しかなく、そして、今の心が未来をつくっていくわけです。だからこそ、私たちが「今をどう生きるか」が大事になっていくのです。
私は「今を生きる」というとき、三つの大きなポイントがあると思っています。一つは、今の現象をどう受け止めていくことが、仏さまの智慧の観方につながっていくかということです。私たちが、ものごとを仏さまの智慧で観ることができれば、どんなにつらく苦しい状況にあっても、今を楽しく、有り難く受け止めることができます。
たとえば、先ほどの夫のリストラという問題も、《このままずっと仕事がなく、家族が離散してしまうのではないか》と思うか、《家族が本当に心一つになるチャンスをいただいているに違いない》と受け止めていくかでは大きな違いです。
今日は新しい一日
二つめは、自分一人ではものごとを仏さまの智慧で観たり、有り難く受け止めたりすることは至難なことです。だからこそ、サンガのふれ合いや法座のなかで、多くの方の智慧をいただくことが大切なのです。
そして、法座に座っていらっしゃる方々も、一人の問題をとおして仏さまのものの観方、受け止め方を共に学んでいくことができます。それがサンガのあり方だと思います。
三つめに、今を大事に生きるというのは、過去を引きずらないということです。私たちは昨日と今日は違う一日を生きるのですから、昨日までの気持ちをリセットして、《今日は新しい一日なんだ》と新鮮な気持ちで、さわやかに生きていくということが大切です。 そのためにも会長先生がお示しくださっている「三つの基本信行」が大切なのです。朝夕、ご供養をさせていただくことで、今、はたらいている仏さまの慈悲を感じ取ることができます。また、お導きや手どり、法座修行といった人とのふれ合いのなかで、仏性を礼拝していく、仏さまを観る智慧を磨くことができるのです。
会長先生は「(ご法の習学とは)一言でいえば、仏道を歩むということですから、『ご供養』『導き・手どり・法座』などの実践も『ご法の習学』の一つに集約することができるのです」(『仏心大志』)と教えてくださっています。
このご法の習学によって、《自分は、絶対の存在である仏さまに守られている、生かされている》という大安心を得ることができます。と同時に、信仰によって心境が変わり、心境が変わることによって人生が変わり、自らの人生に明るい希望と揺るぎない自信を持つこともできます。そうした積み重ねが、私たちのめざす「楽しいご法の習学」につながっていくものと、私は信じています。
合掌
『ラ・カリテ』17号 より
(09.10.07 update)