「青年宗教者による共有される安全保障のための国際軍縮サミット」閉会あいさつ
松本貢一・WCRP国際委事務総長青年担当特別アドバイザー
この度、ここネパールのカトマンズで開催された「青年宗教者による共有される安全保障のための国際軍縮サミット」の閉会にあたり、ご挨拶の機会をお与えくださいましたことに感謝を申し上げます。
私たち宗教者が日々目指しているのは、神仏を敬い、その教えに基づく実践を通して、すべての人や物事を心から信じることのできる大安心の世界、つまり、「すべてのいのちの尊厳が守られる世界」を築くことであると思います。
しかし、現代社会を見渡しますと、不信による不安が渦巻いております。今回のテーマである武装や軍備というものは、まさにその不信がもたらすものだと言えるでしょう。「他を信用できないから武装する」「武装している相手は信用できない」といった国家間における不信の連鎖が、際限のない軍備の拡大につながっているのです。
「いのちの尊厳」を踏みにじり、人を傷つけ、殺すための道具でしかない軍備のために、いったいどれだけの費用が使われているのでしょう。そうした意味では、この世界の現状――「信」ではなく「不信」が渦巻いている現代社会は、宗教者が宗教者としての真の役割を果たしていない、私たちのサンゲとも言えると思うのです。私は今回の会議を通してその自覚に立ち、「軍縮と開発」というテーマに自分の問題としてチャレンジしていかなければいけないと覚悟を新たにいたしました。
私たち一人ひとりは微力かもしれません。しかし、私たちにはそれぞれの宗教、信仰を通じた仲間、そしてWCRPという世界最大の諸宗教ネットワークがあります。そのネットワークにつながるすべての人の力を結集したならば、成し遂げられないことはないと確信しています。
ここネパールには世界で一番高い山、エベレストがあります。歴史を振り返りますと、人類はどんなに高く険しい山にも勇敢に挑み、登頂に成功してきました。いま、私たちがチャレンジしようとしていることは、遥かかなたにそびえ立つ、とてつもない高さの山頂に挑むようなものかもしれません。
しかし、私はWCRPにつながる青年宗教者が心を一つにして取り組んでいくならば、必ず成し遂げることができると信じています。諸宗教青年指導者の叡智と努力によって、必ずや「すべてのいのちの尊厳が守られる世界」を築けますよう、皆さまとチャレンジを続けてまいりたいと思います。
合掌
(09.07.30 update)