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「苦手な人ほどレベルが上がる」八正道

 お釈迦さまは、いまから二千五百年前、インドのブッダガヤで、永遠不滅(ふめつ)の真理を悟られました。この悟られた真理の根本となる教えが『縁起』『三法印(さんぽういん)』『八正道(はっしょうどう)』『六波羅蜜(ろくはらみつ)』など、根本仏教といわれるものです。

 お釈迦さまの教えは、いつでも、どこでも、誰にでも当てはまるものであり、教えを日常生活に生かしていけば、毎日を前向きに生きることができ、私たちをより幸せな人生へと導いてくれます。

人は、どのようにしたら、よりよい生き方ができるでしょうか。

八正道とは

  八正道(はっしょうどう)とは、「正見(しょうけん)」「(しょう)()」「(しょう)()」「正行(しょうぎょう)」「正命(しょうみょう)」「(しょう)精進(しょうじん)」「正念(しょうねん)」「正定(しょうじょう)」の正しい八つの道のことです。
 「正しい道」といわれても何が正しくて、何が正しくないのか、自分ではなかなか判断できないものですが正しいという事、それは・・・
「正しい」とは
①真理(お釈迦さまの説いた教え)に合っていること
②自分本位(自己中心)でないこと
③偏ってないこと
④調和がとれていること
⑤目的にあっていること

一言で言えば、ものごとを「ありのまま」「あるがまま」に見たり、考えたり、感じていくこと、それがお釈迦さまの言う「正しい」ということです。

八正道の最初に出てくるのが「正見」です。正見とは自分中心の見方や偏った見方をせず、ものごとを正しく見ることです。正見を心がけると自分本位ではなく、相手の立場に立ってものごとを考えるようになります(正思)。すると、自然と相手を思いやる温かな言葉が出てきます。嘘や悪口も出てきません(正語)。正しい言葉はさらに心を豊かにし、行動にも現れてきます(正行)。それは、勉強や部活動、友人関係といった学生として充実した日常につながります(正命)。とはいえ、そのままではお釈迦さまの教えは身につきませんから、上記のことを繰り返し実践することが大切です(正精進)。その繰り返しの中で、仏さまと同じような心で過ごし(正念)、心が安定して周囲の変化に一喜一憂することがなくなっていきます。それが「正定」です。このように八正道で説かれる八つの正しい道は関連しあっています。

八正道の活用

 ここで問題です。
Q.上から見ると円形、横から見ると三角形に見える立体は何でしょうか?

 数学の図形が得意な人には簡単かもしれませんが、答えは円錐です。
もし、あなたがこの円錐を真上から、もしくは真横からしか見ていなければ「丸だ」「三角だ」と思い込んでしまうかもしれません。物事を見ていく時には自分の立ち位置(視点)によってさまざまに見えてくるものです。自分の見方や考え方、経験にとらわれてしまうと自分が一方的に見ていることを忘れてしまうものですから、正見というメガネをかけて見ることが大切です。

 例えば、学校へ行く際、玄関を開けた時に雨が降っていたとします。ある人は「なんだよ~雨かよ」と愚痴を言い、ある人は「雨が降って涼しくなるな~」と言ったとします。同じ出来事でも後者の方が人生を楽しく生きていけるのは言うまでもありません。
 まずは、日頃自分が様々な出来事に対して、どのような感情が湧くのかに気づくことが大切です。ついつい否定的にとらえて言動を行っているのか、何事にも肯定的にとらえて言動を行っているのか、自分の見方や考え方や接し方の癖や習慣に気づくことが本当の自分に帰るきっかけとなります。
 普段の生活において、自分中心で物事を見て、都合の良し悪しで一喜一憂し、人間関係がぎくしゃくすることもあります。そのような時、一度自分の思いや感情を横において、相手の立場に立って考えることが仏教の特徴であると思います。固定観念を外して人と触れ合う事で、今まで苦手だと思っていた人とも分かり合えたり、その人の新たな一面が再発見できたりするのではないでしょうか。それは、自分の人生を何倍も豊かに、楽しいものにできるのだと思います。

まとめ

 相手の一面だけで判断せず、自分の癖を振り返り、物事を多面的、多角的に見ていくことが大切なポイントです。

  • 固定観念、先入観、思い込みを横において見るく

  • 相手のことが99%苦手であっても、その人の良い所を見ていく努力をしてみる