まわりの人にも、自分にも苦しみを与える行いはしない
話し手:東日本教区(青年担当) 松永 多加志さん
お釈迦さまが、祇園精舎にいらしていた時のことです。
朝、お釈迦さまは、托鉢をするために、衣服を整え、鉢を持ってサーヴァッチー城に入ろうとしました。
すると道ばたで、子どもたちが釣ったばかりの魚をいじめていたのです。
お釈迦さまは、子どもたちに近づき、問いかけました。
「みんな。苦しいことは、いやではないですか?苦しいことは、気持ちのいいことですか?」
子どもたちは答えました。
「それはもちろんです。苦しいのは嫌だし、気持ちのいいものではありません」
お釈迦さまは、やさしく子どもたちに諭しました。
「君たちにとって、苦しみが気持ちのいいことでなければ、まわりの人にも自分にも、生きとし生けるものすべてに、悪い行いはしないことです。
もし悪い行いをしてしまったならば、苦しみから逃れようと思っても、逃れられないものです」
(自説経より)