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火の家からの脱出


 話し手:東日本教区(青年担当)本村 晃一さん

妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)譬喩(ひゆ)(ほん)(だい)三より)

ある(くに)に、お金持(かねも)ちの長者(ちょうじゃ)がいました。
屋敷(やしき)(ふる)びていて、(いま)にもくずれそうでした。
また、おおぜいの(ひと)出入(でい)りするのにもかかわらず、(ちい)さな(もん)(ひと)つあるだけでした。
あるとき、その屋敷(やしき)火事(かじ)になりました。
大変(たいへん)だ。火事(かじ)だぞー!(はや)くにげるんだー!」
長者(ちょうじゃ)必死(ひっし)になって(なか)にいる()どもたちに()びかけても、(あそ)びに夢中(むちゅう)になっている()どもたちの(みみ)には、(とど)きません。
そこで長者(ちょうじゃ)は、こうさけびました。
「おーい、(もん)(そと)に、お(まえ)たちの()きな(ひつじ)()(くるま)鹿(しか)()(くるま)(うし)()(くるま)()ってきたぞ。(はや)()てきて()きな(くるま)(えら)びなさーい」
それを()いた()どもたちは、「ぼくは(ひつじ)(くるま)」「(わたし)鹿(しか)」「ぼくは(うし)」と口々(くちぐち)()い、(きそ)うようにせまい(もん)(とお)りぬけてきました。
長者(ちょうじゃ)()どもたちの無事(ぶじ)(よろこ)びました。
そして、()どもたちのほしがっていた(くるま)よりも(おお)きくて立派(りっぱ)な、(うつく)しい(しろ)(うし)()(くるま)を、みんなに(ひと)しくあたえました。
長者(ちょうじゃ)」は、「お釈迦(しゃか)さま」。「()どもたち」は、「(わたし)たち」のことを()します。
「こわれかけた(いえ)」は、「(くる)しみに()ちた現実(げんじつ)人間(にんげん)社会(しゃかい)」を、「火事(かじ)」は、「(わたし)たちの煩悩(ぼんのう)」を(あら)わしています。
煩悩(ぼんのう)とは、(くる)しみの(げん)(いん)である自己(じこ)中心(ちゅうしん)欲張(よくば)りの(こころ)です。
このお(はなし)大切(たいせつ)なのは、()どもたちが(みずか)(はし)()したことです。
(わたし)たちもお釈迦(しゃか)さまの(おし)えを(しん)じ、(みずか)らの(こころ)(おこな)いを(ただ)していけば、やがて(かなら)ず、(うつく)しい(しろ)(うし)()(くるま)(あらわ)している「最高(さいこう)(さと)り」を()ることができるというメッセージが()められています。