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良医とその子どもたち


話し手:関東教区(青年担当) 黒澤 康人さん

妙法みょうほう蓮華れんげきょう如来にょらい寿じゅりょうほんだいじゅうろく」より)

 一人ひとりすぐれたお医者いしゃさんがいました。

あるとき他国たこくかけている最中さなかに、どもたちがあやまって毒薬どくやくんでしまいました。

時間じかんがたつにつれてどくからだじゅうにまわり、どもたちはべたをころまわってくるしみました。

かえってきたちちはその姿すがたおどろき、よくくすりつくってあたえます。

「このくすりはとてもくんだよ。いろあじかおりもいい。これをめばいまのくるしみがなおるばかりではなく、これからさき病気びょうきひとつしなくなるのだよ」。

しかし、そんなちち言葉ことばも、本心ほんしんうしなっているどもたちにはとどきません。

 なんとかしてどもたちが自分じぶんからくすりんでくれる方法ほうほうはないか。

そうかんがえたちちは、つぎのようにのこしてどもたちのまえから姿すがたします。

わたしとしをとってからだよわくなり、あまりさきがない。それなのに、おまえたちをいてまた他国たこくかけなければならない。

くすりいていくからむのだよ。めば絶対ぜったいよくなるから心配しんぱいはいらないよ」。

そしてしばらくたったある旅先たびさきから使つかいをやり、「おとうさまはおくなりになりました」とげさせました。

 どもたちはちちくなったことをり、大変たいへんかなしみました。

どくによって動転どうてんしていたどもたちは、ようやく本心ほんしんもどし、ちちのこした言葉ことばおもしてくすりみました。

すると、からだからどくえ、どもたちはすっかり元気げんきになりました。

そんなわが様子ようすり、ちちふたたどもたちのまえ姿すがたあらわしたのです。

 父親ちちおやは「ほとけさま」であり、どくんでくるしんでいるどもたちは、「わたしたち」。

ちちどもたちにあたえたくすりは「ほとけさまのおしえ」です。

なやんだりくるしんだりしているわたしたちを、ほとけさまはわがのように心配しんぱいしながら、きっといつか自分じぶんからほとけさまのおしえをつかむしんじて見守みまもってくださっているのです。