生きるヒント

◆夫を亡くし、一人暮らしの姉。何とか力になってあげたいのですが……(54歳・女性)

義兄が昨年、がんで亡くなりました。56歳の実姉には子供がなく、近所の一軒家で一人暮らしをしています。寂しさからか、毎日、メールや電話が姉から届きます。朝夕の忙しい時間帯にもかかってくるので、応対に困ることもあります。さらに最近、通信販売で頻繁に買い物をするようになったことが、久しぶりに訪ねた時に分かりました。買い物の内容は、衣類や装飾品などですが、すぐに人に与えてしまいます。それも一度や二度ではなく、何度も繰り返している様子です。義兄の残した財産で暮らしていますが、このまま放っておくわけにはいかないと感じています。どのように触れ合うことが、姉の力になってあげられることなのでしょうか。

◇回答者 沼田雄司

長年連れ添ってきた夫を亡くし、お姉さんは、さぞ気を落としておられることでしょう。その寂しさを自分のことのように感じ、あなたもつらい思いでいることが伝わってきます。それは、あなたが優しい方だからこそ感じることであり、お姉さんも、そんなあなたを頼りに思っているのではないでしょうか。

 

 お姉さんに対してどのように触れ合えばいいのかというご相談ですが、それには、あなたがお姉さんのことをどのように見るかが、大事な出発点であると思います。

 

 朝夕の電話や通信販売の買い物が続く状態から見ると、一般的には、お姉さんの心はとても不安定な状態にあると言えるでしょう。あなたも察しておられるように、毎日電話をかけてくるのも、通信販売で買った物を人に与えてしまうのも、寂しさゆえの行動でありましょう。このまま放っておくわけにはいかないと、あなたが心配するのも無理のないことかもしれません。

 

 しかし、別の見方をすれば、お姉さんの行動は、不安定な心を何とか安定させようと、懸命に努力している姿だと受けとめることができます。お姉さんは必死になって、ご自身の寂しさを解消しようとされているのです。さらに言えば、関心を持たれたいという、だれもが持っている自然な欲求が、現在の行動となって表れていると見ることもできます。

 

 どうか、現在のお姉さんの姿を、不安定な心の表れと見るだけではなく、心の安定や安心を求めて懸命に努力していると受けとめてみてください。「困った人」「問題のある人」ではなく、「努力している素晴らしい人」とたたえる。そんな見方ができれば、もともと優しいあなたなのですから、心からお姉さんを支え、大きな力になってあげられるはずです。

 

 その一つは、お姉さんが健康的な日常の生活リズムを取り戻せるように、あなたの側から働きかけることです。

 

 現在のお姉さんは、あなたから見れば、主婦の忙しい時間帯にもお構いなしのように思われるでしょう。そうした日常生活の時間的な感覚を、お姉さんに思い出してもらうことが必要かもしれません。

 

 たとえば、あなたから電話をかけて、話を聞かせてもらう時間帯を積極的に設けるのもいいでしょう。週に何回か定期的に訪ねたり、買い物に誘ったりと、一日の生活リズムを立て直すように、触れ合いを重ねていくのです。

 

 また、お姉さんを教会にお誘いしてみてはいかがでしょうか。深い悲しみや寂しさを理解してくれるサンガとの出会いを通し、きっとお姉さんの気持ちも前向きに変化していくに違いありません。その機会を提供してあげられるのも、あなたにしかできない大切なことの一つです。