生きるヒント

◆ 家族に翻弄されるばかりの人生です(44歳・女性)

私が26歳の時、父の経営していた会社が倒産し、父は出奔、母はうつ病になりました。私には2人の弟と、妹が1人おり、上の弟は独立し、下の弟は15年以上無職です。

その間に、嫁いでいた妹が離婚し甥(現在高校生)を連れて家に戻ってきました。妹はうつ病を患い家にこもるようになりました。

母と下の弟は、母方の祖父の介護をするために母の実家に移り、今、私は、妹と甥と3人で、私の少ない年収だけで生活しています。借金があり、毎月返済に追われています。

会員教育を受けたり、毎日ご供養もさせて頂いていますが、家族を見放せない思いと、自分のために人生を送れないつらさが交錯して、とても苦しいのです。親孝行の教えを頂きながら、親を責めてしまう私です。

◇  回答者 沼田雄司

この20年間、家族を人一倍、大切に思うあなたは、いつも必死に家族を支えようとしてきました。不安に苛(さいな)まれることもあったでしょう。心が折れそうになると、親を責める気持ちが噴出してくる。それも無理のないことに感じます。そのような中にあっても、サンガの応援を頂き、教えによる生き方を求めていこうとする姿勢はとっても素敵(すてき)なことです。

 

あなたがそこまで家族のことを思えるのはなぜか。それは子供の頃から父母の愛情をたくさん頂いてきたからでしょう。さらに、長女であるあなたは、幼い弟妹の面倒を見ることに喜びを感じられるように育ててもらったのですね。父の失踪、母の病気に遭遇した時の弟妹たちの悲しさ、心の痛みを、あなたは誰よりも理解することができました。家族に悲しい思いをさせたくないという優しさは、あなたが生まれながらに持ち備えた徳目そのものなのです。

 

一方、こんなに頑張っているのに、家族は認めてもくれず、むしろ要求されることばかり。自分のことを考える余地もないといら立ち、そこから逃れたいと葛藤するあなたの姿も見えてきます。

 

そこで、お勧めしたいことがあります。それは、家族のこれまでの言動や行為は、あなたを家族の“要”として信頼するがゆえのものであり、あなたのためにと全ての物事が展開していると受けとめてみる、ということです。

 

母が下の弟と共に家を離れたのは、あなたにばかり苦労をかけたくないという思いから。妹と甥は、一人暮らしは寂しいからと、そばにいてくれている。そして父は自ら身を隠し、あなたに尊い生き方をさせてくれた——。「みんなが私のために」と心で唱えてみてください。

 

あなたは、父から見守られ、母から優しさを育んでもらった、尊い存在です。「家族の力になりたい」という自身の中から湧きあがってきた願いに突き動かされて生きてきたはずです。家族のために犠牲にしてきた時間ではなく、全てがあなたのための時間だったのです。そこに気づくことで、自由で開放された生き方が広がっていくのではないでしょうか。

 

会長先生は感謝することの尊さを教えてくださっています。家族のおかげで、人を思う幸せを味わわせて頂けている。そんな、一瞬でも「有り難い」と感受したことを周囲の方に伝えてください。自分の尊さがさらに発見できることと思います。