生きるヒント

◆容姿や能力など、自分を蔑む言葉を口にする娘。どう触れ合えば……(42歳・女性)

小6の娘のことで相談します。以前から容姿や能力などいろいろと人をうらやみがちだったのですが、最近特にひどく、自分を蔑む言葉まで口にするようになってきました。私はこれまでもその都度、娘の良さや人と比べたりする必要がないことを伝えてきました。そうした話に笑顔を見せてくれていたときもありましたが、今では聞く耳を持たず反発する一方です。担任の先生は、学校ではとても明るく、周囲を笑わせるようなところがあると言ってくれます。反抗期かとも思いますが、あまりにも自分を大切にしていない言葉を聞くと切なく、心配でたまりません。母親としてどのような触れ合いを心がければよいでしょうか。

◇回答者 泉田和市郎

 近年、自己肯定感や自尊感情の低い、いわゆる「自分に自信が持てない」という若者や子供が増えていると言われています。その原因には褒められたり、愛されたりした体験が少ないことや、他者と比較し自分の欠点ばかりにとらわれることなどが挙げられています。

 かけがえのない我が子の口から自らを蔑むような言葉を聞いたなら、親としてこれほど切ないものはありません。母親としてあなたがひどく心を痛めていることが本当によく分かります。

 ですが、少し冷静になってみてはいかがでしょう。小学校6年生の娘さんは今、自分を客観的に見つめられるようになったのではありませんか。ある意味では子供らしさである自分中心の見方や考え方から、他人を意識し、自分と人との違いを知り、さまざまに思いを巡らせるようになったと言えるでしょう。まさに「成長」しようとしているのです。

 娘さんの心の内を想像してみてください。きっと大変な格闘をしているはずです。あなたの目に映る姿は反抗的だったり、自らに否定的な言葉だったり、心配なことばかりかもしれません。しかし、その心中に娘さんなりの理想や希望、自らを尊ぶ心などがあることに気づいてあげてください。「反抗期」という言い方もありますが、その言葉で終わらせるのはもったいないように思います。ぜひ「成長期」と受けとめて頂くことを願っています。

 それが今の娘さんをありのままに受け入れるということです。成長に向かって努力する姿は、仏性そのものにほかなりません。

  子供の苦しみを取り除きたい、少しでも和らげたいと思うのが親ですが、一緒になって子の苦しみに執着していては何にもなりません。大切なのは母親であるあなた自身の成長です。その上で、娘さんのやむにやまれぬ思いに寄り添うならば、きっと娘さんの苦しみを分かってあげられることでしょう。

 さらに娘さんが成長していくためには、人と自分の違いを認識しながらも、人はみな同じいのちを生きる者同士だと思えるかどうかが肝心です。娘さんと触れ合うあなた自身が、そうしたものの見方を身につけているかどうか、いま一度、振り返って頂ければと思います。

 会長先生は以前、次の歌を紹介してくださいました。

 『生まれ子の 次第次第に 知恵つきて 仏に遠くなるぞ悲しき』

 これは、触れ合う大人次第で青少年を神仏の心から遠ざけてしまうということを教えています。

 お手紙を拝見する限り、あなたはよく勉強をされ、子供さんのことを一番に考える本当に素晴らしい母親だと思わせて頂きます。今まさに、あなた自身が相対的なものの見方ではなく絶対的な仏さまのものの見方を身につけるという、成長のチャンスを頂いているのではないでしょうか。