生きるヒント

◆ 長男を出産後、妻が復職。母の意見に戸惑い…(24歳・男性)

24歳の男性です。一昨年、同い年の妻と結婚し、昨年8月に長男を授かりました。この4月から長男を保育園に預けて、妻が復職するのですが、私の母親から「子供がもう少し大きくなるまで復職せず、母親が離れずにそばにいた方がいい」と強く意見され、ちょっと困っています。妻が働くのは少しの家計の余裕と将来のためであり、決してぜいたくをするつもりはありません。私たち夫婦の間では、妻の復職は前から決めていたことですが、このままでは母親との関係にしこりが残るのではないかと心配もしています。

◇回答者 泉田和市郎

家族が増え、人生の新たなスタートを切ろうという時に、予測していなかった言葉をかけられ、戸惑っている。お母さんの言葉かけがなければ、自分たちの当初の予定通りに、思い描いていた生活設計に向かって、すんなりと歩み出せたのに--もしかすると、あなたは今、そのような心境なのではないでしょうか。

 

私は、お母さんの言葉は、子育ての先輩としての深い愛情と思いやりに満ちたものだと思います。初めて子どもを授かったあなた方、そしてその子供であるお孫さんに対する真心が感じられるのです。

 

会長先生も法話の中でよく触れられることですが、「三つ子の魂百まで」と言われるように、乳幼児期、3歳から5歳くらいまでは、人間の性質、性格に影響を与える大切な時期といわれます。この時期に親のぬくもりや愛情をしっかりと伝えながら、基本的なしつけなども行うことが、人格形成の上でとても大事だと教えてくださっています。お母さんは、このことを踏まえて父親として、母親としての子育てのあり方を心配されていると思います。このようなお母さんの思いを受けとめられるあなたになっていくことが大切なのではないでしょうか。考えを否定された、注意されたという受けとめ方では、それこそ「しこり」が残ってしまいます。すべてを仏さまから頂くはからいごととして受けとめる努力が、調和のとれた、幸せな人間関係を築いていくもとになるのです。

 

もう一つ、今回のことを、人間として生きる中で何が一番大事なのか、ということについて、ご夫婦の間で真剣に考えるよいきっかけにして頂いてはいかがでしょうか。新しい家族の輪が、家庭が、子供を授かることにより誕生した今、考えるチャンスを、お母さんの言葉により与えて頂いたのです。あなた方ご夫婦にとっても、あなた自身にとってもお母さんの言葉は本当に有り難い「宝物」になるのではないでしょうか。そして、真剣に話し合ったこと、今回のことを通してあなた自身が父親として気づいたことを、ぜひお母さんに伝えて頂ければ、きっと喜んでくださると思います。そして、何よりあなた方の一番の応援者として、これからも力を貸してくださるのではないでしょうか。

 

そのようなあなたなら、今後も周りからの言葉を学びの機会ととらえ、素晴らしい人生を歩んでいくことができるに違いありません。私も応援しています。