立正佼成会概要

六波羅蜜ろくはらみつ

波羅蜜とは、古代インド、サンスクリット語のパーラミターのことで、真理をきわめ、仏道を完成した境地のことをいいます。 六波羅蜜は、その修行のための、布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)という、六つの徳の指標です。

布施
本来の意味は、その大小にかかわらず、自己犠牲をはらって他のために奉仕するということです。大きく分けて財施(ざいせ)、身施(しんせ)、法施(ほうせ)があり、別に無畏施(むいせ)という考え方もあります。財施とは、物質的な布施です。困っている人に何かをお分けするのも財施です。身施とは身体を使った親切行で、清掃奉仕やお年寄りに席をゆずることもこれにあたります。法施とは、大きくいえば、自分の知っている価値あることを、ひとに教えてあげることです。料理の仕方、野菜の栽培の仕方など、ひとのため、世のためになることなら、すべて法施となります。仏教の信仰者にとっては、その教えをひとに伝えることが最高の法施です。無畏施というのは、ひとの心配や、恐れや苦労をとり除いてあげる布施です。他に、すべての人が出来る布施として「無財の七施」(むざいのしちせ)という布施も説かれています。

持戒
一言でいえば、身をつつしむことです。仏教の戒め(いましめ)をよく守り、ひととして正しい生活をし、自分自身を高める努力をすることです。

忍辱
忍耐と謙虚という言葉に言い換えることもできます。他に対して寛容であり、他から与えられるどんな困難をも耐え忍ぶことです。また、得意になったり、有頂天になったりせず、つねに静かな心を保つことです。

精進
精とは、純粋なという意味なので、精進とは、純粋な努力を意味します。第一に、その目的が正しく、純粋であること、次に、その目的に向かってまっすぐに、休むことなく歩み続けることが大切です。

禅定
どんなことがあっても、迷ったり動揺したりせず、落ち着いた静かな精神を持ち、真理に向かって、つねに心が定まっている状態をいいます。そのような境地に達するには、いわゆる三昧(さんまい)に入り、我をはなれ、すべてはひとつという悟りを得る必要があるので、端座(たんざ)して三昧にはいる修行を、禅定という場合もあります。

智慧
上記の様々な修行を経ることによって得られる、宇宙の森羅万象のありのままの相(すがた)を見きわめ、人生のいろいろな出来事に対しても、自我の執着から離れて正しい判断や行いができる、深い心のはたらきをいいます。

以上が六波羅蜜ですが、一番大切なのは、第一の「布施」の精神と実践です。犠牲・奉仕の精神こそが菩薩の精神であり、すべてのひとが幸わせになるための本当の智慧は、そうした愛他の精神によってこそ養われるからです。

参考文献 : 『仏教のいのち法華経』庭野日敬