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2020年9月4日 開祖さまご命日

総務部長 澤田晃成

 

皆さま、おはようございます。本日は、開祖さまご命日の導師のお役、誠にありがとうございました。総務部長を務めさせて頂いております澤田晃成でございます。

 

現在、教団の総務部門を任されておりますが、木に譬えますと、根っこの部分で、日頃は土の中に潜っています。こうして表に出てまいりますと、非常に日差しが眩しく、肌にあたって痛いというような感じがございまして、今日は、大変緊張してご供養をさせて頂きました。

 

さて、いま巷で一番の話題は、安倍総理大臣の突然の辞任会見ではないかと思います。テレビを観ておりますと、次の総理大臣が誰になるかということで、巷は大変かまびすしいわけです。今日は、どのようなご挨拶をさせて頂こうかと考えておりましたが、ちょうど安倍総理大臣の話がトップニュースになっていますので、教団の政治部門をお任せ頂いている総務部長といたしまして、この話題に触れないわけにはいかないだろうと思いまして、少しく安倍総理大臣の7年8カ月について、振り返ってみたいと思っている次第です。

 

安倍首相は、任期中、「モリカケ(森友・加計)問題」とか、「桜を見る会」とか、スキャンダラスな話題が取り上げられてきましたが、舵取りの難しい世界情勢の中で、7年8カ月にわたって、日本を導いてくださった安倍首相には、まずもって「大変ご苦労さまでした」「ありがとうございました」と御礼申し上げるのが、礼儀であろうと考えます。

 

安倍首相で一番印象が深いことは、強力に推し進めてこられた憲法改正の問題ではないかと思います。われわれは、この憲法改正の問題について、憲法カフェや学習会、学習用冊子、映像、壁新聞など、さまざまな方法を通して、共に考え、行動をさせて頂いてきたわけでございます。

 

その間、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)では核開発が進み、ミサイルが飛んでくるというようなこともあって、いまにも戦争が起こるのではないかというような感覚にとらわれ、憲法改正が本当に身近な問題として捉えられてきたのではないかと思います。中国との関係も悪くなりました。そして、アメリカ・トランプ大統領の自国中心主義もあり、世界そのものが、何か平和から遠のいていくというような中で、この憲法改正、とりわけ9条の問題、平和に対する問題が、一番の関心事になってきたわけでございます。

 

われわれが考える平和は、「絶対に戦争を起こさない(絶対非戦)」であり、それが平和観の一番のもとだと思っております。この平和観とは違う行動を取り、またそのような発言をしてこられた安倍政権に対して、われわれは、そのことに対してのみ、絶対に反対の姿勢を貫いてきたわけでございます。

 

振り返りますと、安倍首相が憲法改正の問題を強力に進められたお陰さまで、われわれ自身が、憲法9条に示された平和観、開祖さまの平和観というものを学ぶ機会を頂けた、真剣に考えることができた、そして行動することができた、といえるのではないかと思います。そういう意味では、アベ菩薩といえるのかもしれません。

 

戦争は、自らの思いを通すために、武力をもって力ずくで自国の利益を押し通していった最後の結果です。われわれは、本当に「絶対非戦」ということを守っていかなければならないと思っている次第であります。

 

政治と宗教は、車の両輪といわれるように、いずれも「人々を幸せにする」「調和の世界をつくる」という点で、変わるところがないと教えて頂いております。しかし、世の中には、政治が好きな人と嫌いな人、そして無関心な人がいます。「自分には関係ない」という無関心派も大多数いらっしゃるわけです。しかし、今回の憲法改正問題で、政治家が一歩道を間違えると、その影響は、わが身におよぶことを実感できたのではないかと思っております。そして、その政治家は、われわれ自身が選ぶのであります。

 

これまで佼成会では、特に参議院選挙の比例区において、教団をあげて特定の政治家を支援し、議政壇上に送り出すことで、国が方針を誤らないように、影響を及ぼそうという手法をとってまいりました。

 

少し分かりにくいかもしれませんが、政治をプロレスに、宗教を相撲に譬えると、今までは、同じ土俵に乗らないと政治家は宗教の話を聞きに来ないとの思いから、プロレスの四角いリングの中に、土俵(丸)を描くという方法論であったのではないかと思います。リング(政治)の中に取り入って、丸(宗教)の考え方を理解して頂き、土俵からはみ出す角の部分を指摘し、削って頂きたいというような方法で、政治への取り組みをしてきたわけです。

 

2年前の参議院選挙から、佼成会はその方法を改めました。四角いリングを相撲の土俵の円で囲んでしまう、という方法を取るようになってきたわけでございます。

 

政治の四角いリングを「宗教=真理=宇宙の大法則」という土俵で囲み、リングが円に近づくことのほうが理想に近いあり方です。レスラー(議員・政党)自身が、その真理に気づき、大法則に則った心構えを持って頂けるように、われわれは、「一党一派に偏しない」「人物本位」の原則を自覚して、主体的に議員さんを選び、教えを伝え、教化していくことが大切になるのではないかと思います。そういう方向に方向転換をさせて頂いたわけでございます。

 

この方法は、数の力で政治を動かそうとすることより、はるかに難しい方法だろうと思います。なぜならば、われわれ自身が、本当に平和とは何ぞやということを自覚して、その自覚をもとに、利他の精神をもって政治に取り組んでほしいとの思いを政治家に伝え、教化して、そのような政治家を選ばなければならないからであります。

 

これまで政治を担当してきてくださった方々がいらっしゃいますが、これは「政治から手を引く」のではなく、むしろ一人ひとりが自覚をもって「もっと、ちゃんとやる」ことなのだと思います。ただ、これまでの流れもありますから、どうしても過去に引っ張られるのが人情でございます。この意識改革は少し大変でありますけれども、本気で政治を正し、国を世界を善導していくためには、必要な変革だと考える次第でございます。そちらの方向に佼成会は舵を切ったということをご理解頂ければと思います。

 

今回の安倍首相の突然の辞意表明によって、今月の半ばには、新しい総理大臣が決まります。どなたがなられるか分かりませんが、場合によっては、その後、衆議院解散、総選挙になるかもしれません。衆議院選挙は、各教会で推薦委員会を開いて、選挙に臨むことになりますが、ぜひその際には、いろいろな候補者に来て頂いて、つながりを持って、今ほど申し上げたとおり、平和と利他の精神を持って政治に取り組める政治家かどうかを、目を見開いて、自らの力で選んで頂きたいと願う次第でございます。

 

それにつけても、棄権をすることが一番まずいわけですから、それぞれの自覚を通して、正しい道を歩んで頂けるような政治家を一人ひとりがお選び頂きたいというふうに願う次第でございます。

 

今後、どのような展開になるか分かりませんけれども、それぞれが、いま一度、開祖さまの平和観を思い起こして頂き、これからの新たな時代に向かって歩んでいかれることを念願いたしまして、ご挨拶に代えさせて頂きたいと思います。

 

本日は、誠にありがとうございました。