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2016年3月16日

WCRP/RfP日本委 福島で「東日本大震災の追悼と鎮魂 復興合同祈願式」


式典では宗教宗派別に、大震災で犠牲となった全ての御霊(みたま)への鎮魂と復興への祈りが捧げられました

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会主催の「東日本大震災の追悼と鎮魂ならびに復興合同祈願式」が3月16日、福島・相馬市の「伝承鎮魂祈念館」慰霊碑前で挙行されました。加盟教団の代表者、相馬市、南相馬市をはじめ宮城・仙台市などの宗教者、地域住民ら約60人が参列。立正佼成会から根本昌廣宗教協力特任主席、久保木伸浩原町教会長、同教会会員らが参加しました。


WCRP/RfP日本委が支援する東北大学の「臨床宗教師」養成講座。実習では宗教宗派を超えた祈りの時間が設けられています

東日本大震災後、同日本委は、(1)失われたいのちへの追悼と鎮魂 (2)今を生きるいのちへの連帯 (3)これからのいのちへの責任——の3方針に基づき、被災地域での心のケア、地域コミュニティー支援などの事業を展開。支援の一環として2012年から毎年3月、復興合同祈願式を被災地で行ってきました。
同日本委は今年の合同祈願式を、津波で甚大な被害を受けた相馬市東部沿岸地域で開催することを決定。同地域は、東京電力福島第一原子力発電所の事故による漁業の操業規制、風評被害等のため農産物、海産物の出荷が停滞し、基幹産業である農業、水産業、さらには観光産業などが大きな打撃を受けています。
式典では、同日本委理事・震災復興タスクフォース責任者の前島宗甫師(元日本キリスト教協議会総幹事)があいさつに立ち、震災から5年を経て被災地に対する意識の風化が進む現実に懸念を示すとともに、宗教者がいかに被災地の現実と向き合い、被災者支援に携わっていくことができるかを問われていると述べました。
宗教宗派別祈りの後、地震の発生した午後2時46分に海に向かい、参列者全員で黙とうを捧げました。
この後、地元関係者を代表して、相馬市の中村東部第一行政区の熊谷秀治区長と真言宗豊山派摂取院の鈴木弘隆住職があいさつ。熊谷区長は、復興状況を説明したほか震災後に自ら防災士資格を取得し、地区住民らとの勉強会を通して防災意識の啓発に努めていることを報告しました。
また、震災後、同派の僧侶二百数十名と共に全ての犠牲者を弔う四十九日法要を営んだ鈴木住職は、「本日は、さまざまな宗教宗派の方々に祈りを捧げて頂き、亡くなられた人々への有り難いご供養ができました」と謝意を述べました。
なお、式典に先立ち、同日本委の一行は、相馬市商工観光課職員の案内で津波被害を受けた松川浦漁港などを視察しました。


▼震災タスクフォース 5年の歩みと今後の展開
未曽有の被害に見舞われた東日本大震災の発生から、今年で5年を迎えました。WCRP/RfP日本委では、震災直後から被災地支援と復興への取り組みを担うタスクフォース(特別事業部門)を立ち上げるとともに、活動拠点として仙台事務所を開設。さまざまな復興支援事業を展開してきました。同事務所所長を務めた篠原祥哲同日本委平和推進部長に、この5年間を振り返り、これまでの活動内容や今後の課題を聞きました。

「いのち」「つながり」を大切に 被災地の方々に寄り添い続けて
篠原祥哲WCRP/RfP日本委平和推進部長

震災当初、混乱する被災地の状況を把握し、求められている支援を届けるには、情報の集約と迅速な対応が不可欠でした。そこで、日本委員会では復興支援を担う「震災タスクフォース」を立ち上げ、活動拠点として宮城・仙台市に事務所を開設し、行政や民間団体、大学機関との情報交換と同時に、岩手、宮城、福島の被災3県を回り、被災者の声に耳を傾け、ニーズの把握に努めました。
何度も話を聞く中、被災者や支援関係者との縁が結ばれていき、震災翌年の3月には被災地の宗教施設を借りて、宗教者による祈りの集いを行うことができました。日本委員会の理事長として開催あいさつに立たれた庭野日鑛会長は、息の長い復興には「人材育成に勝るものはない」とお言葉をくださいました。また、被災地の実情に沿った支援を行うために、毎年1回、行政や民間団体、医師、学者など復興に携わる関係者を招いて円卓会議を開き、宗教者に求める役割について意見交換をしています。
これらを踏まえ、日本委員会では「人づくり」の観点から「心のケア」「地域コミュニティの再構築」「社会的弱者への支援」「放射能被害への取り組み」を柱に支援を展開しました。特に、宗教者の役割として「いのち」「死」に向き合う「心のケア」の取り組みを重視し、東北大学が行う「臨床宗教師」の養成講座への支援や、宮城県宗教法人連絡協議会の「心の相談室」と協力して、傾聴ボランティアやラジオによる宗教者のメッセージ発信などを行いました。
コミュニティー機能を回復し被災者の孤立を防ぐため、宗教施設の再建や祭りなどの伝統行事の復活にも力を注ぎました。さらに、被災地の町づくりを担う若い世代を対象にした人材育成セミナーや、原発事故の影響で外出できない福島の子供たちを受け入れ、保養キャンプも実施しました。
こうした復興支援の一端を微力ながらも担わせて頂けたのは、国内外の加盟教団の皆さまから寄せられた浄財や祈り、そして現地で出会った方々の協力のおかげさまです。復興を願う皆さまの思いに触れ、被災された方々が笑顔を取り戻していく姿に、私自身も勇気と希望を頂きました。
震災から5年。今もなお17万人が避難生活を送っています。日本委員会では当初5年を予定していた復興事業を3年延長し、今後は特に、原発事故の影響で復興が著しく遅れている福島に重点を置き、支援を展開していく予定です。
福島では震災関連死や自死が急増しています。来年3月には多くの支援措置が終了するといわれる中、仮設住宅には高齢者など自力再建できない方々が残っています。先が見えない状況にもかかわらず、支援体制は減退しているのです。
一方で、住民による主体的な取り組みが見え始めています。日本委員会はそこに着目し、一昨年から「フクシマコミュニティづくり支援プロジェクト」を実施し、“ママカフェ”や高齢者による見守り運動といった約90団体の取り組みを支援してきました。
被災地を取り巻く現状は大変厳しいのですが、被災地の方々の前向きな姿と、復興や町づくりに主体的に取り組む若者の活躍に、日本の新しい地域モデルが生まれる可能性も感じます。そうした動きに希望を見いだし、今後も『忘れない』をテーマに「いのち」「つながり」を大切に、日本委員会に関係する全ての方々、ご支援、ご協力くださる方々のお力添えを頂きながら、共に被災地の方々に寄り添い続けていきたいと願っています。