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2016年6月29日

「熊本地震」発生から2カ月半 熊本教会の現状と取り組み


早期復興を願い、家屋の応急修理や室内の片付けなどのボランティア作業に取り組む援助隊員たち(写真は熊本教会大津道場の屋根を補修する第9次援助隊)

「熊本地震」の発生から2カ月半が経ち、被災地では復興の取り組みが進められているものの、今も余震が続き、九州地方を襲った記録的豪雨により新たな被害も発生しています。こうした中、熊本教会では地震発生以来、会員の状況把握に努め、サンガで支え合ってきました。一方、立正佼成会災害対策本部(本部長=川端健之理事長)は、職員で構成する援助隊を派遣し、ボランティア活動を行っています。被災地の現状と熊本教会の取り組み、ボランティア活動の様子を伝えます。

6月20日現在、熊本教会の調査によると同教会会員の家屋被害は、建物の全壊104棟、半壊38棟、一部損壊1317棟に上ります。
自宅に戻れず、避難所で生活する会員家は17世帯。特に被害の大きかった東第一、緑川、阿蘇の3支部の会員が7割以上を占めています。親類を頼って県外に避難した会員も少なくありません。
県内の被災地では、仮設住宅の建設と、自治体が民間賃貸住宅を借り上げて無償で提供する「みなし仮設住宅」の準備が進んでいます。
震災発生直後、近隣住民や会員など最大で約200人が教会道場に避難していましたが、その後徐々に減少し、6月12日に最後の避難者である会員2世帯が「みなし仮設」に入居。教会道場の避難所としての機能は、2カ月近くで終了しました。
支部壮年部長(60)は、「震災発生当初から6月12日まで教会の皆さんに本当にお世話になりました。益城(ましき)町にある全壊した自宅の片付けもこれからですが、新たな住まいで前向きに暮らしていきたい」と語りました。
一方、教団本部では、震災発生直後に災害対策本部を設置。被災地の会員と熊本教会の支援などを目的に、これまでに第11次(6月29日現在)に及ぶ援助隊を組織し、職員を派遣し続けています。
6月13日から22日まで現地を訪れた第9次援助隊(隊長=菊地右宗総務部主査)は、第8次隊に引き続き、同教会21支部のうち、最も被害の大きかった中央第一、東第一、南第一、緑川の4支部で、会員の生活状況を確認する布教支援を展開。支部長や主任らと共に被災会員宅を訪れ、支援物資や、全国のサンガから寄せられた災害見舞金を手渡し、不安な生活を送る会員たちの心情に耳を傾けました。
また、各援助隊は、同教会に寄せられた被災会員からのボランティア要請に対し、地震で散乱した家財道具の整理や瓦の落ちた屋根へのブルーシート張りなどの作業にも取り組んできました。震災発生後から6月20日まで、会員宅での作業数は延べ71軒に上ります。今後は、雨天対策としての屋根や壁などの防水補修に加え、仮設住宅や「みなし仮設」への引っ越し作業でボランティア要請が増加すると見込まれています。
現地では近隣教会の会員によるボランティア活動も継続して行われ、青年、壮年部員らが屋根や壁、ブロック塀の補修、室内清掃、家具の移動などの作業に取り組み、復興に力を尽くしています。

 

被災者自ら手どりへ サンガの応援が大きな力に
柴垣多加志・南九州支教区長(熊本教会長)


柴垣支教区長を中心に、会員たちは震災の対応に当たってきました

震災発生直後から、南九州支教区をはじめ九州の各支教区、全国の会員の皆さまには物心両面からご支援頂き、心からお礼申し上げます。皆さま方の応援は私たちの心を支え、大きな力を与えてくださっています。
熊本教会では、震源地だった上益城(かみましき)郡益城町を包括する東第一をはじめ、緑川、大津、阿蘇支部などの包括地域で大きな被害を受けました。地震から2カ月半が経ち、各地で寸断されたライフラインは、益城町などの一部地域では水道が止まったままの状態ですが、ほぼ復旧のめどが立ちました。しかし、住宅が被害を受け、自宅に住めなくなった人の仮設住宅への入居は始まったばかりで、被災した会員さんの復興への道筋がついたとはとても言える状況ではありません。
熊本教会では、支部長さんら幹部会員を中心に被害状況の把握に努めている最中ですが、損壊した家屋は膨大な数に上り、現在も避難所の体育館や車中での寝泊まりを強いられている会員さんが多数おられます。自宅に戻れても、余震への恐怖から、玄関そばに床を取り、熟睡できないでいるといった声も絶えません。仕事を再開し、また教会の活動に取り組み、地震以前の生活を取り戻しているように見える方も、大きな不安やストレスを抱えているのが実情です。
そうした中、教会道場では、毎日、法座が開かれています。一人ひとりの心を癒やすことができればとの願いから、法座で皆さんに今の気持ちを余すところなく吐き出してもらい、互いに大変な境遇にあることを分かち合うことが、心の救いにつながると受けとめさせて頂いています。
2カ月半前の4月16日未明、本震直後から、教会には近隣住民の方々が避難してきました。一時は約200人が身を寄せ、助け合いながら避難生活を送りました。道場に避難した人は会員さんの方が少なかったのですが、トイレ掃除や炊き出しに誰も不平不満をこぼすことなく取り組まれました。“まず人さま”の精神で力を合わせることができ、非常時を乗り越えられたと思っています。
熊本教会では地震以前から、“たんぽぽ布教”として教会道場周辺を中心に地域布教を展開しています。これまでの地道な布教を通して地域の皆さんと信頼関係を育むことができ、今回の避難生活に生かされたのではないかと感じます。
また地震発生10日後には、光祥さまが来道され、被災した会員さんを勇気づけてくださいました。教会の雰囲気も皆さんの表情も、パッと明るくなったことを覚えています。
南阿蘇村などの一部では通行止めがいまだ続き、被災した会員さんの元に通うことが思うようにできない地域もありますが、支部長さん、主任さんを中心に懸命な手どりが繰り広げられています。受け持つ会員さんの元を一軒一軒訪ねる側も皆、被災者です。自分自身の生活が気がかりなはずですが、自らのことを捨て置き、サンガの元へ駆けつけるその姿はまさに仏さまであり、み教えの尊さを感じずにはいられません。
6月に入り大雨も続いています。復興への道のりに課題は山積みですが、会長先生、光祥さまをはじめ全国のサンガに支えられていることを胸に刻み、熊本の会員さんと共に手を携え、一歩でも前へ進もうと思っています。