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2016年10月26日

ACRP 創設40周年記念シンポ 


国内外の宗教者が集った公開シンポジウム。世界で深刻化する暴力的過激主義の問題を解決するため、宗教者の役割について話し合われた

『いかに宗教の名を使った暴力的過激主義に応答するか?』をテーマに、「アジア宗教者平和会議(ACRP/RfP Asia)創設40周年記念シンポジウム」が10月26日、京都市国際交流会館で開催された。主催は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会。国内外の宗教者をはじめ、研究者、市民ら約220人が参加した。本会から、庭野日鑛会長(WCRP/RfP日本委員会会長、ACRP共同会長)、庭野光祥次代会長(WCRP/RfP国際共同議長、同日本委理事)、川端健之理事長(同日本委理事)が出席した。

ACRPは、アジア太平洋地域の宗教者ネットワーク。1976年にシンガポールで第1回大会を開催して以来、諸宗教の連帯・協力を促進し、紛争、貧困、差別などの諸問題に取り組んできた。
今回のシンポジウムは、ACRP創設40年の歴史を振り返るとともに、2014年に韓国・仁川(インチョン)で開かれた第8回大会のテーマである『アジアの多様性における一致と調和』の実現を図るもの。世界で深刻化する宗教の名を使った暴力的過激主義の問題を解決するために開かれた。
シンポジウムの冒頭、『ACRP40年の軌跡』と題した映像を上映。第1回から第8回大会までのテーマと各大会の模様、さらにインドシナ難民の救済、フィリピン・ミンダナオ島やカンボジアでの和解プログラム、ネパール大地震への支援など、これまで展開してきた諸活動が紹介された。
この後、WCRP/RfP日本委会長として庭野会長が開会挨拶に立った。世界各地で相次ぐテロや紛争について、「他者に不寛容であったり、暴力性を持ち合わせていることは、ほかならぬ自分自身に内在する課題」と指摘。宗教者はそのことを自覚した上で、暴力によって生じた人々の怨(うら)みや憎しみを受けとめつつ、心の問題の解決に取り組むことこそ重要であると強調した。
さらに、貧困や格差、異なる宗教・文化・民族に対する排他主義などがテロや紛争の要因になっているとし、シンポジウムでの提言を今後のさまざまな活動に生かしていく意向を示した。

宗教の正確な情報発信を
ACRPの学誠共同会長(中国佛教協会会長)、畠山友利同事務総長の祝辞に続き、寺島実郎日本総合研究所会長が基調発題に立った。
寺島氏は、キリスト教とイスラームの衝突の歴史を解説しながら、対立を乗り越える唯一の手段は「相手の立場」を認めることと強調。協調して生きるという覚悟を互いに持たなければ、血で血を洗う戦いを正当化させかねないと指摘した。その上で、「慈悲」や「許す心」をもって共生社会を実現させる他に「人類の進む道はない」と述べ、宗教者が対話の道をつくり出すことに期待を寄せた。
続いて、WCRP/RfP国際委の杉野恭一副事務総長、ACRPのディン・シャムスディーン実務議長(ムハマディア前会長、インドネシア)、キム・ヨンジュ同共同会長(韓国宗教人平和会議会長)、WCRP/RfPタイ委員会のスファトメット・ユニャシット執行委員(マヒドン大学人権・平和研究所講師)が登壇。同日本委平和研究所の山崎龍明所長(武蔵野大学名誉教授)をコーディネーターにパネル討議が行われた。
パネリストからは、過激派組織による若者への勧誘を防ぐために、宗教に関する正確な情報発信の必要性、また、経済格差や政治不信など、暴力的過激主義に結びつくあらゆる要因の解決に宗教者が関心を寄せ行動していく重要性が示された。