アッザ・カラム

私たちがどのように死ぬのか。
それを決めるのは、私たちの生き方です。

2020年、世界宗教者平和会議(WCRP / RfP)国際委員会は新しい事務総長を迎えました。イスラーム教徒のアッザ・カラム氏。初の女性事務総長の誕生です。

国連での目覚ましいキャリアの持ち主で、SDGsの成立に深く関わった当事者の一人。明晰で哲学的な論理を展開する知性と、隣人のような親しみやすい笑顔とのギャップに誰もが魅了されるでしょう。

期待と希望の新事務総長が、世界が先の見通しを失ったCOVID-19の渦中に、自身が手塩にかけたSDGsへの熱い思いを語ってくれました。

Q1「誰一人取り残さない」というスローガンをもとに、宗教者はSDGsに対してどう実践の意欲を高めることができますか。

誰一人取り残さないという考え方は、間違いなくすべての信仰、宗教的伝統の信念の一部だと言えます。宗教の全体的な目的は、人類が互いを、そして環境をより気遣うようになるよう導くことです。したがって、「誰一人取り残さない」ということは、これを非常にうまく捉えています。

また、「誰一人取り残さない」ということが、開発の為の人権に基づくアプローチの基礎であることも事実です。すべての国際人権法および人道法は、これと同じ原則に基づいています。それは、最も脆弱な人々を確実に守るということです。

私たちは人権というものが、全宗教において共有された道徳的価値観に基づいているということをしばしば忘れています。そのため、このスローガンは、世俗的にも宗教的にも力強く共鳴します。

講演するカラム博士

WCRP日本委員会主催「2020年新春学習会」で講演するカラム博士
(2020年1月28日 立正佼成会法輪閣)

Q2MDGsでは「誰一人取り残さない」という考えが見られなかったのはなぜですか?

MDGsは政府のみによって合意されました。国連開発グループの設立以来、持続可能な開発のための共通の議題が、すべての政府によって採択されたのは初めてでした。

MDGsに取り組むことにより、世界中の政府と市民社会組織は多くのことを学びました。SDGsは、MDGsアジェンダの成功(共通のグローバルアジェンダを継続することにより)、とそこから学んだ事にも基づいて策定されています。MDGsプロセスから学んだことの1つは、世界各国の市民社会、ビジネスセクター、そして多くのパートナが政府の出すアジェンダに関与しなければならないということでした。なぜなら、政府だけでは持続可能な開発を達成できないからです。

しかし、開発アジェンダの策定に他のセクターを巻き込むということは、それらの異なるニーズや優先事項にも耳を傾ける必要があることを意味します。これは人権や思いやりが見られる素晴らしい機会となりました。なぜなら、SDGsの策定により、世界の開発の優先順位を特定する中で、より多くの人々とセクターを参加させる機会ができ、これらの目標は政府の意向に限定されず、より包括的なものとなりました。そのため、このようなスローガンができました。