今日のことば

5/22 水曜日

戒律が身を守る

仏教の教えでどうして人が幸せになれるのかというと、その基本は、仏さまの戒(いまし)めを守ることにあります。

殺生(せっしょう)をしない。盗まない。浮気や不倫をしない。うそを言わない。酒にのまれない。--まず、この五戒を守るのがその出発点です。

そう言うと、「あれをしてはならない、これもしてはならないと縛られてしまうから、信仰は嫌いなんだ」という人がいるのですが、仏教の戒律は、人をがんじがらめにするものではありません。逆に、その人を守るためのものなのです。

いま、若い人のあいだでスキーが大はやりですが、スキーでゲレンデを滑るのには両足に長い板をつけなくてはなりません。初めのうちはまことに不自由ですが、その長い板を自由に操(あやつ)れるようになると、雪の上を自由自在に滑走できて、こんな爽快(そうかい)なことはありません。

仏教の戒律も人に強制されるのではなく、自発的に反復してそれを身につけてしまうと、誘惑に引きずられたり、うまい話に引っかかったりすることがなく、いつも自由自在に振る舞いながら、思う存分に人生が楽しめるようになるのです。

庭野日敬著『開祖随感』第11巻 32~33頁より
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