今日のことば

5/18 土曜日

法を行じる人の輪

佼成会を創立した当時の妙佼(みょうこう)先生と私の二人三脚の布教の毎日は、朝から晩まで、もうご法のことだけ。そして、どうしたらあの人に幸せになってもらえるか、この人を救ってあげられるかということだけで頭がいっぱいでした。世間話などしている暇(ひま)は、まったくありません。

妙佼先生は、信者さんの一人ひとりに「信仰者は、背におぶった子の言葉も仏さまの言葉として聞いて反省しなくちゃならないんですよ」と、それこそ、子どもの育て方から台所の掃除にいたるまで、手をとって教えられる。そして、私が『法華経』や日蓮(にちれん)聖人のご遺文(いぶん)で学んだことを、信者さんにかみくだいて伝えてくださるのです。その妙佼先生のひと言も聞きもらしてはならないと、信者さんが全身を耳にして聞き入り、そのとおりに毎日の生活で行じて、みなさんが救われていったのです。

立正佼成会という会が、そういう血の通った慈悲の見守りの場であるのは、いまも少しも変わりはありません。それをお互いさまに、しっかりと胸に刻みつけておきたいものです。

庭野日敬著『開祖随感』第11巻 24~25頁より
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