今日のことば

5/17 金曜日

まず相手を受け入れる

私は、すぐれた霊感のようなものを持っているわけではなく、まことに平凡な人間ですが、一つの取り柄(え)は、わりあい素直なところかなと思うのです。どなたの話を聞いても、「なるほど」と素直にうなずかされるのです。

ところが、それと反対に、人の言うことに対して必ず「でも……」と注文をつけないと気がすまないという人がいるものです。それが癖(くせ)になると、考え方まで腰が引け、消極的になってしまうのではないでしょうか。

相手の言葉に、なんでも「そうですね」とうなずくのでは、自分の主体性がなくなるように思うかもしれませんが、何から何まで相手の言いなりになって、それに振り回されるわけではありません。相手にもう一つ気づいてもらいたいというときも当然あります。しかし、相手の言うことを、いきなり頭から否定してしまったのでは、人はそっぽを向いてしまいます。

法を説くのには、まず相手にこっちを向いてもらい、心を開いてもらうことが大事です。そのために、まず相手の言い分を「なるほど」と、うなずいて聞いてあげることから始めなくてはならないのです。

庭野日敬著『開祖随感』第11巻 22~23頁より
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