今日のことば

5/9 木曜日

大を成す人

妙佼先生と私は、性格がまるで違っていました。ですから、二人とも願っていることは一つで、「どうしたら、あの人に幸せになってもらえるか」「この人をお救いさせてもらえるか」ということしか頭にないのですが、真剣になればなるほど、意見が分かれてしまうのです。

性格が違うと、ものの考え方の基準が違ってきます。それで意見が衝突してしまうわけで、どちらか片一方の考え方でいけば簡単なようですが、それでは力が半減してしまいます。

二つの違った考え方を一つにまとめていくというのには、大変な苦労が伴いますが、さまざまに議論を交わしてその難しさを乗り越えると、すばらしく強力なものが生まれてくるのです。佼成会は、そういうところから出発して今日(こんにち)になったのです。

どんな事業であれ、大を成す人は「前へ前へと進む意欲」「人の意見を聞く素直さ」「人にまかせられる寛大さ」、そして「よいパートナー」を持っているといわれます。

小異をのみ込んで広い視野で大局をつかむその懐の深さが、大勢の人の力を集める決め手です。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 290~291頁より
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