今日のことば
12/2 火曜日
本当の正直者
「正直者はばかをみる」とか、「ばか正直にやっていると損をする」と言いますが、私はそうは思いません。自分が正直であればこそ他人が信じられるのです。
「智にすぐれば、うそをつく」という言葉があります。知恵が回りすぎると、つい口がすべってしまいます。自分がうそをついていると、他人もそうだと思い込み、他を信じられなくなります。たとえ他人にだまされようとも自分で自分が信じられればいいのです。私の祖父は「他人をだませば迷惑をかけるが、自分がだまされるぶんには、自分だけのことだからよいではないか」と、いつも言い聞かせてくれたものでした。
ワコールの塚本幸一社長も、こう言われています。
「正直者がばかをみるのは、本当の正直者ではないからだ。それは形だけの正直者で、本心は正直者でないからばかをみるのだ。本当の正直者なら、どんな結果になろうと主体的、自発的な自分の行為に対して、ばかをみたなどと思うわけがない。もしばかをみたと思うなら、それは自分を正直者と勘違いしているのだ」と。
まさに至言です。
庭野日敬著『開祖随感』第6巻 182~183頁より