今日のことば
12/4 木曜日
教えの生活化
自分の力だけで、だれの世話にもならずに生きていると思い込んでいた人が、「諸法無我(しょほうむが)」の法門を学んで、自分はひとりで生きているどころか、多くの人びとによって支えられ、自然の恩恵を受けて生かされているのだと気づき、自分もまた人びとのために役立つ人間になろうと努力するようになったとしたら、これは立派な悟りであり、人間としての成長です。
この感謝と報恩の奉仕が相まってこそ、人間としての真の充実した人生が約束されるのです。そして、そうした人びとが多くなればなるほど、この社会はすばらしい社会になっていきます。
「なるほど、そうか!」と自分が目覚めると、周囲の自分を見る目が変わってきます。自分が変わることによって、家庭や職場といった周囲の人たちの反応が一変してしまうのです。
佼成会では、これを「自分が変われば相手が変わる」と言います。それがお釈迦さまの教えの生活化であり、天台大師の説かれた一念三千の法門の実践にほかなりません。その実体験を積むことこそが大切なのです。
庭野日敬著『開祖随感』第6巻 198~199頁より