今日のことば

3/26 木曜日

仏性を目覚めさせるひと言

「如来の室(しつ)とは一切衆生の中の大慈悲心是(こ)れなり」と、経典にあります。善人も悪人もすべて大慈悲心で包んであげ、救ってあげようというのが仏さまの心です。それには、それぞれの人の違いをちゃんと知っていて、しかも、みんなが仏性を具えているのを見て取る眼力を具えなくてはなりません。

とりわけ、目先の利害に振り回されて、顛倒(てんどう)した見方でいま苦しみもがいている人は、自分の力でそこから脱出することは、まず不可能です。そうして苦しんでいる人を見ると、「そんなことをしていてはだめじゃないですか」と、つい叱咤(しった)したくなるのですが、あやまちまでも含めて、その人をそっくり受け止めてあげるのが、すべての人の仏性を認めることなのですね。

まわりじゅうからあやまちを責め立てられている中で、人の温かい言葉に触れると、そのひと言で、ハッと自分に気づかされるものなのです。それまで閉じ込められていた仏性が、ひとりでに表に現われてくるのです。

自分のやっていることがどういうことなのか、自分ではっきりと悟ってもらうのが、法座での説法です。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 92~93頁より
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