今日のことば
4/29 水曜日
繰り返す言葉の力
いまの子どもは親の言うことなど聞こうともしない、と嘆く前に、「わが子には、こういう人間になってほしい」という親の願いを、折にふれて、繰り返し繰り返し、話して聞かせてあげてほしいのです。
私の八十余年間の人生をいま振り返っていちばん幸せだったと思うのは、仏さまの教えに導かれて菩薩道(ぼさつどう)をあゆませてもらえたことですが、それは、幼いころ祖父の背で繰り返し「世のため、人のためになる人間になれ」と聞かされ、父から、「骨が折れて働く時間が長く、給料の安いところで辛抱して働くんだぞ」と言い聞かされた言葉に導かれたように思うのです。
祖父や父の毎日の姿を見ていて、素直にそのとおりやってきたのですが、それがそのまま菩薩行だったのです。骨の折れること、条件の悪いことも喜んでやっていると、まわりの人に大事にされ、力まなくても、まわりから幸せのお膳(ぜん)立てが整ってくるのです。
子どもは言葉に出さなくても、親を信頼し、頼りにしているのです。親に繰り返し言い聞かされたことは、心にしっかり植え付けられて、子どもの人生を決めていくのですね。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 194~195頁より