今日のことば
3/22 日曜日
相手に合わせる
真理の教えだからといって、相手かまわず滔々(とうとう)と話しても、みんなが納得するものではありません。私は説法するとき、話が受けているかいないか、聞き手の顔を見ているのです。相手が「ありがたい説法を聞かせていただきました。お弟子にしてください」というくらいの説法でなくては、いくら立派な説法でも意味がありません。
『法華経』に「油を圧(お)す殃(つみ)」という言葉が出てきます。菜種(なたね)を樽(たる)に入れてゆっくり重しを加えると、きれいな、ねっとりとした油が搾(しぼ)り出されてきます。ところが一気に搾ろうと万力(まんりき)で搾るようなことをすると、いい油はとれないのです。「因縁及び次第を知って義に随(したが)って実(じつ)の如く説かん」(「如来神力品(にょらいじんりきほん)」)と教えられているように、相手の理解力に応じ、順序に従って説かなくてはなりません。
いつも周囲の人の生活を見守ってあげて、出合う問題に応じて、「なるほど」と分かるように具体的に教えてあげる。それを聞いて、心の底から納得できた人が一人誕生すると、それがどんどんまわりに及んでいくのです。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 78~79頁より