今日のことば

11/16 日曜日

布施、愛語(あいご)、利他、同事(どうじ)

道元禅師は、布施、愛語、利他、同事という四つの行が大切であると申されております。法を説く布施、財の布施、身体を使ってする布施、そして親に孝養を尽くすのもひとつの布施であると教えられているのです。

よく考えると、私たちがこうしていま生きていられるのも、他の人びとの布施に支えられているからであることが分かります。つまり、私たちの存在そのものが布施の功徳によるものであるわけで、それが分かると、自分が何をなすべきかも、またおのずから分かってくるのです。

慈悲心にもとづく愛語も、自分の権利の主張ばかりがかまびすしいこの殺伐(さつばつ)とした時代にこそ不可欠なものであり、社会を明るくする原動力となるものであることが分かります。

利他とは、人さまのためによかれとしてなしたことが、自分にとってもよいことになることです。そして、最後の同事とは、相手の身になりきるということで、お導きも海外救援活動も、それにほかなりません。

この四つの行はそれぞれ別のものではなくて、互いに関連し合う仏教徒の大切な行動規範なのです。

庭野日敬著『開祖随感』第6巻 76~77頁より
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