今日のことば
3/4 水曜日
相手の心に寄り添う
人のために捧げ尽くすというと、なにもかも人に与えるなんて、とてもできるものじゃないと尻込みしがちです。そう大仰(おおぎょう)に考えず、捧げ尽くすというのは、いつも相手の心に寄り添うこと、と考えたらどうでしょうか。
自分のことだと、虫歯が痛むだけでも四六時中それが頭から離れませんが、人のこととなると、深刻な離婚話でも、また会社が危ないとか、子どもさんが大病したというような大変な問題でも、じきに忘れてしまうのが人の常です。その心配事をいつも心に置いて励ましの言葉をかけてくれる人がいると、ほんのひと言、ふた言でも、身にしみわたるほどうれしいものです。
人をこう動かそう、ああ動かそうと思っても、人はこちらの思いどおりに動いてくれるものではありません。ところが、心の底から相手に幸せになってもらいたいという願いから出た言葉は、ただのひと言であっても、相手の琴線(きんせん)に触れて、人を動かすのです。そういうひと言は、いつも相手の心に寄り添っていてこそ出てくるのですね。
つまり、捧げ尽くすとは相手の身になりきること、と言いきっていいと思うのです。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 18~19頁より