今日のことば
7/21 火曜日
老いのお陰さま
私のように年をとると、体のあちこちが思うようにならなくなってきます。それにいちいちこだわって、「あれも、これもできなくなった」と不満を抱くと、つい愚痴(ぐち)っぽくなり、まわりに当たるようになってしまいます。そこのところで、ちょっとだけ視点を変えてみるのです。
「これまで、なんでも自分の力だけでやってきたように思っていたが、こうして体が不自由になると、みんなの厄介にならずにいられない。自分はこれまでどれだけ人のお世話になってきたことか……」
老いは、数えきれないたくさんの人たち、天地の万物、そして仏さまに生かされて現在の自分があることを心の底から思い知る、またとない機会なのです。
社会の第一線で仕事をしているときには、収入も地位も健康も当然のことのように思いがちです。それが、まわりへの感謝を忘れさせてしまうのです。「これからが、お陰さまにお報いする人生の出発だ」と心を定めると、「どんな小さなことでも、自分にできる精いっぱいをつとめて、あとは仏さまにおまかせすればいいのだ」と心がどっしりと落ち着いてきます。
庭野日敬著『開祖随感』第11巻 166~167頁より