今日のことば

4/28 火曜日

私心を捨てた力

いろいろな願い事を持ち、さまざまな悩みを抱え、すがるものを求めている人をお救いするのには、優しさとともに、信頼感を具えなければなりません。その信頼感はどこから生まれてくるのかというと、私心がないこと、真っ正直で、どこから見られても恥ずかしくない日常の行住坐臥からなのです。

そういう人の前に出ると、「すべてお見通しだ」と、自分をさらけださずにはいられなくなります。その人の言葉を「はい」と聞かずにいられなくなるのですね。

叱る声の大きさは、理由の薄弱さ、こっちの自信のなさの表われだといいますが、偉ぶることも、利口ぶることも、声を荒らげる必要もないのです。

『法華経』の「安楽行品(あんらくぎょうほん)」には、権勢におもねようとして国王や大臣に親近(しんごん)してはならない、という戒めが説かれていますが、こちらに下心があると、まっすぐにものが言えなくなります。逆に、ただもう、この人を救いたいという一心で自分を捨てきってしまうと、おのずと、その場、その相手にふさわしい言葉が授かり、方便力が授かるのです。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 192~193頁より
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