今日のことば
5/14 火曜日
不況時になすべきこと
春の次には夏がきて、秋のあとには冬がきます。それと同じで、好況のときがあれば必ず不況のときもあります。不況だからといって、いたずらにもがき回ると、自分で自分を苦に縛りつけることになってしまいます。
なにごとも勝負の分かれ目は、ツキが落ちたときをいかにしのぐかにあると言います。さまざまな変化に動じないコツは、目の前の現実をそのまま素直に受け入れることにあります。
不況のときには、それに応じていま何をなすべきかを、じっくり考えるのです。不況時には不況時でなければできないことがあります。まず、「いまは自分の力を蓄えるために与えられた時間なのだ」と、しっかり自覚することです。組織ならば、不況のときこそ人材をじっくりと育て上げる好機です。
会社の組織図は一夜でも書き上げられますが、その組織をまかせる人材は、一朝一夕(いっちょういっせき)には育ちません。時間をかけて、一人ずつ育てていかなくてはならないのです。不況時にそれができていれば、次の好況の波に乗って必ず大きく飛躍できます。
「冬きたりなば春遠からじ」と、どっしりと構えるのが智慧(ちえ)です。
庭野日敬著『開祖随感』第11巻 14~15頁より