今日のことば

5/19 日曜日

回り道の宝

青年時代は、いくつもいくつも壁にぶつかります。たとえば受験でも、だれもが希望校に一発で合格できるわけではありません。失敗し、つまずいてしまう人も多いのです。しかし、そのときこそ自分の人生を見つめる大事な機会、またとないチャンスなのです。

世の中には、二度も三度も受験に失敗しながら、それぞれの分野で一流の仕事をされている方が、たくさんおられます。その方々が口をそろえて、その受験の苦しみをとおして貴重な人生勉強ができた、と青年時代を振り返っています。自分が本当に苦しんでこそ、人の苦しみが実感として分かってきます。それが、その人の人生のなによりもの宝物になるのです。

受験は、その人が持っている力のほんの一部が試されるだけで、それがすべてではありません。私のように長い人生を生きてきてみると、若いときの二年や三年の回り道など、なんでもないことがよく分かります。そんな遅れは、いくらでも取り返せるのです。

くじけずにがんばる姿を、仏さまは必ず見ていてくださいます。

庭野日敬著『開祖随感』第11巻 26~27頁より
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