今日のことば

5/12 日曜日

身構えを捨てる

若いときは、だれしも人前で自分の弱点をさらしてはならないと必死になっているものです。しかし、友だちといるときも、会社でもそうして身構えてばかりいると、いつのまにか周囲の人を見る自分の目が、人の欠点ばかり探す目になってしまっているのですね。自分に自信がない人ほど、人の欠点に敏感になってくるのです。

そんな自分が嫌でたまらないのもまた青年の純粋さなのですが、それならば、自分の欠点や汚い心を隠そうとせずに、それを思いきって人の前にさらけだしてしまえばいいのです。

道元禅師は「自己をならうというは、自己をわするるなり」と教えられています。身構えずに肩の力が抜けてくると、自分の中にあるきれいな心が表に現われ、長所が外に現われるようになってきます。その、ありのままの自分を素直に受け入れられるようになると、不思議に、周囲の人も受け入れられるようになってくるのです。そして、いつのまにか自分も周囲の人に受け入れてもらえるようになっているのです。

愛するとは受け入れること、大切にすること、と言ったほうがよく分かる気がします。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 296~297頁より
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