今日のことば

5/11 土曜日

この人のために

人使いが上手な人をよく見ると、人をうまく使おうとか、命令して協力させようとかという考えが少しもありません。一人ひとりを大事にして、どうしたらその人に喜んでもらえるかと、それだけを考えているのです。その心くばりだけで、「この人のために」と、みなさんが働いてくださるのです。しかも、それは自発的な働きですから、自分の力をありったけ振り絞ってくださるのです。

「人は、何を求めて生きるのか」というのが心理学の最終的なテーマだそうですが、そこを突き詰めていくと、どんな人も自分の値打ちを人に認めてもらいたいという痛切な願いを持っていることが分かるそうです。

教会長さんが笑顔でひと声かけてくださったというだけで、信者さんがやる気になり、反対に、挨拶したのに知らん顔をされたというだけで、落ち込んでしまうということがあるのです。どんなに忙しくても、一人ひとりへの思いやりを忘れてはなりません。その努力を忘れると、自分もだんだん人から軽くあしらわれるようになってしまいます。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 294~295頁より
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