今日のことば
1/20 火曜日
寒中に鍛える
一年中でいちばん寒さが厳しい寒中に、その厳しさをバネにして精進に弾(はず)みをつけるのが寒修行です。
かつて、この季節に農家では麦踏みをしたものです。麦の芽が伸びてきたところを、容赦(ようしゃ)なく踏みつけるのです。残酷なようですが、それによってしっかりと根が張り、踏みつけられて折れた節(ふし)から何本も茎(くき)が枝分かれして、麦の穂がたくましく育ちます。
人も同じで、下積みの厳しさに耐えてこそ、がっしりした土台ができて自信がついてくるのですが、最近の若い人たちの中には、つい居心地のよい温室に閉じこもりがちの人が多いのではないでしょうか。それでは、いつまで経っても自分の根を育てることができません。自分を励まして、人なかへ一歩踏みだしてほしいのです。
いろはカルタに「犬も歩けば棒に当たる」という言葉がありますが、自分の足で歩けば、痛い棒にもぶつかります。しかし、棒のなかには幸せを開いてくれる棒もあって、若い人たちを待っていてくれるのです。桜は厳しい冬に耐えてこそ春爛漫(らんまん)と咲き誇ることができるのです。
庭野日敬著『開祖随感』第11巻 16~17頁より