今日のことば
11/23 日曜日
平和は絶えざる努力の中に
昔に比べて、とくに先進諸国では簡単に物を手に入れることができるようになりました。極言すれば自動販売機のようにお金を入れさえすれば、すぐに物が出てくるといった時代です。こういう時代の暮らしに慣れてしまうと、どうしても人間は、より骨の折れない方法、楽な方法ばかりを探すようになるのではないでしょうか。
とくに経済中心の今日(こんにち)では効率性ばかりが重要視され、合理的で、速く、簡単で、安く、ということだけが求められるようになってきました。
それが人びとのものの考え方のすべてに浸透して、平和の問題にしても、口先だけで事が済む、平和が保たれるといった錯覚に陥ってしまうのではないか、と危惧せずにいられないのです。
平和とは、波風が立たない停滞した状態ではなく、生き生きとした創造的、生産的な活動に支えられて初めて生みだされるものです。そういう平和でなくては、本当の平和とは言えません。絶えざる努力のないところに、真の平和は約束されるものではないのです。
庭野日敬著『開祖随感』第6巻 134~135頁より