今日のことば

4/25 土曜日

体が覚えた自信

圧倒的な体と力を持っている横綱や大関が、ちょっと出足でつまずくと、コロコロと負け続けてしまうことがあります。巨体が土俵に尻餅(しりもち)をついて、首をかしげる場面をよく見受けるのですが、「そうなったら医者に行っても治らない。もう稽古しかない」と、いくつもの大記録を残した、かつての名横綱・千代の富士関が話していました。

闘う相手は、まず自分なのですね。一つ二つ失敗すると、あとからあとから迷いが生まれてきて、自分が信じられなくなってくる。すると、どの相手にも勝てそうな気がしなくなってしまうのです。そんなときは、頭だけの知識ではなんの役にも立ちません。逆に、知識が多いほど、ああだろうかこうだろうかと迷いが深くなってしまうのです。そういうとき、頭より体が先に動くようにしておくのが、ふだんの稽古です。

勝負ごとにかぎらず、人生のチャンスを自分のものにできるかどうかも、日ごろの稽古の積み重ねにかかっているわけです。それが修行です。稽古を怠け、楽をしていてその場だけの付け焼き刃でごまかそうたって、そうはいきません。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 184~185頁より
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