今日のことば

12/11 木曜日

性急は禁物

パパイアというくだものは、果肉が柔らかい上に胃の消化を助けるというので、最近は食べる人が増えています。

パパイアの中に黒い小さな種子がいっぱい入っていますが、これを夏に庭にまいておくと、見る見るうちに葉が伸びます。しかし、やがて秋の冷気に触れると、とたんに枯れてしまうのです。日本の土地柄が適していないのでしょうが、初め威勢よく育って期待を抱かせても、あとが育たない。

仏道の精進も同じで、最初あまり性急だと、途中で息切れしてしまいます。ある日、突然に精進し始めたかと思うと、パッタリやめてしまう人がいますが、持続する精進でなくては、果実を得ることはできません。まず一歩を踏みだし、そして、地道に、根気よく前進することが大切なのです。

種子を机の上に置いておくだけでは芽は出ません。土の中に埋め、日の光を当ててやり、水やりを忘れない、という絶えざる努力が必要なのと同じで、仏道をあゆむ者も、怠惰であってはなりませんが、それに加えて、あまり性急であっても目的を達することができないことを肝に銘じなくてはなりません。

庭野日敬著『開祖随感』第6巻 254~255頁より
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