今日のことば

5/2 土曜日

シナリオのない人生

ドラマにはシナリオがありますが、人生にはあらかじめ書かれたシナリオはありません。ですから、前もって練習しておくというわけにいきません。毎日毎日がぶっつけ本番で何が起こるか分からない。だから先行きに不安を抱く人も多いわけです。

仏教でいう苦は苦痛や苦悩だけでなく、将来の不安や現状に満足できないことをも含んでいます。ですから、一見、恵まれているようにみえても、苦がまったくない人はいません。そこでお金や物や地位だけを頼りにすると、こんどは持てば持つほど、もっともっとと欲しくなったり、それを失う不安が大きくなって、さらに不安が膨(ふく)れ上がってしまうのです。インドで死に瀕(ひん)した人たちの救済に当たっているマザー・テレサさんは、「人は持てば持つほど、それにとらわれ、与えることが少なくなる」と言われています。

シナリオのない人生では、よるべとなるものを自分の心に持っていることが欠かせません。そこに信仰の大切さがあります。仏さまの願いどおり最善を尽くしていさえすれば、どんなことがあろうと仏さまが必ずお守りくださるのだ、と確信を持って生きられます。これほどの安心はほかにありません。

庭野日敬著『開祖随感』第8巻 212~213頁より
TOPへ戻る