今日のことば
5/16 土曜日
「見取見(けんしゅけん)」の克服
世界は急速に国際化を強め、もはや一国だけの繁栄を考えることは許されなくなりました。これからの世界では、互いに支え合い、助け合って共に繁栄していく努力なしに本当の平和はありえないのですが、それは言葉で言うほど容易ではありません。まず「和の心」を育てなければなりません。
いまの世界のさまざまな問題、たとえば開発途上国や東欧諸国の経済的破綻(はたん)をどう救援するかといった問題、使い捨て文化による環境破壊をどう防ぐかといった問題、そして平和の秩序づくりなど、いずれも地球市民がこぞって力を合わせなくては、とても解決できない大問題ばかりです。その最大の妨げになっているのが、自分の立場、自分の見解だけを最高とする見方で、それを仏教では「見取見」といって戒めています。
それに対して「和の心」は、生まれも、育ちも、考え方も違う人たちが、その違いは百も承知の上で、より大きな目的のために力を合わせよう、という積極的な生き方です。独断と偏見を克服しようとする絶えざる努力によって、相手の悩みを自分の悩みとする慈悲の眼が具わってくるのです。「和の心」は、そこから生まれるのだと思うのです。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 254~255頁より