今日のことば
10/29 水曜日
宗教者の大道
明るい社会づくり運動にしろ、世界宗教者平和会議にしろ、佼成会は少なからぬエネルギーをこれに注いでおります。しかし、そうして熱心に活動すればするほど、それを色眼鏡で見て「これは佼成会の教勢拡張のための新しい手段ではないか」と勘ぐる人が出てきます。
自分の教団の教勢を伸ばそう、会員数を増やそうというのならば、佼成会は佼成会だけでやっているほうがエネルギーを分散させずに集中できて、はるかに効率的です。
しかし、世界の平和を考え、世界の人びとに信用される秩序ある日本を築いていくために宗教者として私たちは何をしなければならないか、と真剣に考えていくと、もはや自分の教団のことだけに腐心しているのではすまないことが、はっきりと見えてくるのです。
宗教者であるならば、社会のすべての人と力を合わせ、その力を結集して、明るい社会をつくり、世界中の宗教者の協力によって世界平和を実現していく、その土台石になる決意を持たなくてはなりません。それこそが今日の宗教者のあゆむべき大道であると私は信じて疑わないのです。
庭野日敬著『開祖随感』第5巻 88~89頁より