今日のことば
11/3 火曜日
初心を持ち続ける
説法の指名を受けて「私はとても人前で説法などできない」と、あとずさりする人をよく見かけます。その気持ちは私にもよく分かるのです。
かつて私が恩師の新井助信(あらいすけのぶ)先生について修行していた当時、「庭野さん、説法しなさい」と言われると、正直のところ「これは大変なことになった。何を話したらいいのか」と、ドキドキして、しどろもどろの説法をしたものでした。しかし新井先生は、それをうなずきながら、にこにこして聞いておられるのです。その先生を見て、「こんな説法でもいいんだ。こんどこそうまく話さなくては」と発奮したのを覚えています。
その私が近ごろは、いつ、どこで話をするようにと所望(しょもう)されても、すぐに応じて、みなさんにお話できるようになりました。そうなれたのは、自分をありのまま正直にさらけ出して、ご法のすばらしさ、ありがたさを話すのが説法なのだと分かったときからなのです。
むしろ気をつけなければならないのは、説法ずれして図々しくなってしまうことで、みなさんの前で震えるくらい緊張する初心を持ち続けてこそ、向上の可能性があるのです。
庭野日敬著『開祖随感』第2巻 140~141頁より