11/28 日

持ちつ持たれつ

「諸法無我(しょほうむが)」という言葉をやさしくいえば、この世の中は持ちつ持たれつの相互依存関係で成り立っている、ということになりましょう。

『聖書』には「空の鳥を見るがよい。まくことも、刈ることもせず、倉に取り入れることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていて下さる。あなたがたは彼らよりも、はるかにすぐれた者ではないか」という言葉があります。なにも働かないように見える空の鳥でさえも、天の父は食物を与えて生かしてくださっている。それよりはるかに優(まさ)る人間が、神の大いなる愛の手に生かされないわけがないというのです。

人はすべて、生かされ、支えられて生きています。そのことを自覚すれば、その恩に感謝し、その恩に報いる報恩感謝の生活を心がけるようになるはずですが、現代人の多くは、この「持ちつ持たれつ」の道理を忘れて、“持たれつ”ばかりの生き方になっているように思えるのです。

「持ちつ持たれつ」の人間社会で、“持たれつ”だけになっている人びとに、“持ちつ”の努力の喜びの大きさを、ぜひ知ってもらいたいと思うのです。

庭野日敬著『開祖随感』より