本会の考え

核兵器禁止条約の50カ国・地域批准達成を歓迎します

本年10月24日、核兵器禁止条約の発効要件である50カ国・地域の批准を達成しました。本会はこのことに対し、心より歓迎の意を表します。

ここに至るまで75年に渡り、核兵器廃絶を願って筆舌に尽くしがたい努力を積み重ねてこられた皆さま、とりわけ被爆者の皆さまに、深く敬意を表します。

核兵器禁止条約は、核兵器を全面的に違法とする初めての国際条約です。核兵器不拡散条約(NPT)とは異なり、核兵器の開発や保有、使用だけでなく威嚇をも禁止しています。いざとなったら核兵器を使用することを前提とする核抑止論は、核兵器という暴力装置をつかった威嚇であり、そこにあるのは平和ではなく、不信や疑念を背景にした恐怖による均衡です。

しかし私たちが真に求めるべきは信頼に基づく安全保障であり、人類すべての一人ひとりの安心であると信じています。

私たち立正佼成会は、開祖・庭野日敬が、日本の宗教者が全面的核兵器禁止を広く世界に訴えた「核兵器禁止宗教者平和使節団」の一員として1963年に渡欧して以来、核軍縮・廃絶のために二千万人署名運動や中高生の広島・長崎での平和学習など、ささやかながらも祈り、行動してきました。1978年の第1回国連軍縮特別総会で、庭野開祖は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP=Religions for Peace)を代表し、当時の米ソ首脳に向け「危険をおかしてまで武装するよりも、むしろ平和のために危険をおかすべきである」と、際限のない軍拡競争による恐怖の均衡からの脱却を呼びかけました。

政府のみならず、国際NGOも起草・提案に関わり、その前文で被爆者の痛みにふれている核兵器禁止条約は、世界の良心の賜物であり、このたびの批准達成は「核兵器なき世界」に向けた歴史的な一歩であり、大きな前進です。しかし、核兵器廃絶への道はこれからも続きます。

日本政府は、核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担うと表明していますが、核兵器禁止条約に署名・批准をしていません。私たちは、日本政府が今後の締約国会議にオブザーバーとして参加し、平和を願う国民の声、また世界の良心の声に耳を傾け、核兵器禁止条約への署名と批准をするよう要望いたします。そして、実定国際法としての同条約を尊重し、核兵器廃絶に向けた国際的動きがさらに加速するよう「唯一の戦争被爆国」として国際社会を牽引していただきたいと切に願います。

今回の批准達成は、大きな一歩となりましたが、核兵器廃絶に向けては未だ途上にあります。私たちは仏教徒として、これからも宗教界をはじめとする各界の関係者や市民の皆さまと連携、協力しつつ、核兵器のない世界に向けて努力することをお誓いいたします。

 

2020年10月28日
立正佼成会

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