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2002年02月21日 NGO間のネットワーク化を推進する庭野平和財団

庭野平和財団(庭野日鑛総裁、長沼基之理事長)が進めるNGO(非政府機関)間の連携やネットワーク化への支援活動が、さまざまな成果を生み始めています。平成12年から、『NGO等諸団体間の協力促進』をテーマにプログラム助成を実施してきたもので、具体的には国際協力の分野を中心とした4事業を支援。各事業とも助成開始から2年目を迎え、現在、学習会や連絡会、ワークショップなどを積極的に展開しています。

共通の目的を持つNGOが連携を深めていくことは、各団体の持つ経験の共有化や課題への多角的な検討を通して、より効率的な援助活動が実現できるといった効果があります。また複数の団体が協力することによって、社会への働きかけも、より大きなものとなります。
一方、国内の多くのNGOは財政的に厳しい環境にあり、十分な活動を展開しにくいのも事実。こうした状況を踏まえ、同財団はNGO間の協力促進を積極的に支援してきました。
同財団がプログラム助成として支援しているのは、次の4事業です。

1.「NGO/NPOの能力強化のためのワークショップ
  (助成先・EF=未来のための教育推進協議会)
2.「『南』の子ども支援NGOネットワーク」
  (同・JANIC=国際協力NGOセンター)
3.「北朝鮮人道支援NGOネットワーキング」
  (同・JVC=日本国際ボランティアセンター)
4.「『仏教NGOネットワーク』の立ち上げ」
 (同・SVA=シャンティ国際ボランティア会)

「NGO/NPOの能力強化のためのワークショップ」は、社会問題を広く伝えるために、NGOやNPO(非営利活動法人)が協力して展開する「キャンペーン」の実施方法を学習する事業。1年目は、その教材となる「NGO/NPOキャンペーン・ハンドブック」を作成しました。2年目となる今年は、同ハンドブックを使用し、福岡、大阪、札幌、東京の4都市で「キャンペーン・ワークショップ」を実施します。
「『南』の子ども支援NGOネットワーク」は、開発途上国の子どもを支援しているNGOで構成しています。これまで『子どものエンパワーメントをめざして』をテーマに連続学習会を行ってきました。各NGOが、それぞれの活動現場で、いかに「子ども参加」を実現し、より地元の人々のニーズに応えていくかを追求しています。
「北朝鮮人道支援NGOネットワーキング」は、同財団が支援する以前から、ゆるやかなネットワークが形成されていました。それを基盤に現在は、17の団体でネットワークを構成し、より発展した活動を展開しています。日本と国交のない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の情報には限りがあるため、定期的な連絡会を開き、綿密な情報交換を行っています。また、ホームページを開設。情報を発信し、市民への協力を呼びかけています。連絡会を行うことで、さまざま企画案も生まれ、同国と韓国、日本の子どもたちの絵を集めた「南北コリアと日本のともだち展」が実現しました。
「『仏教NGOネットワーク』の立ち上げ」については、仏教精神を生かした独自の援助活動や平和への貢献ができると期待も高い。仏教の社会における役割が厳しく問われている現状も踏まえ、現在、SVAやアユース仏教国際協力ネットワーク、ありがとう基金など7団体から代表者が集まり、設立に向けての準備を進めています。今年中に設立のためのシンポジウムを開催する予定です。
JANICの伊藤道雄常務理事は、「庭野平和財団の助成によって、『南』の子ども支援NGOネットワークが生まれ、それぞれの経験を共有することができ、より有効な支援の実現が期待されます。通貨危機以降、アジアの子どもたちを取り巻く状況は厳しさを増しています。将来、現地のNGOともネットワークができるよう、この流れをつなげていきたいと考えています」と語っています。

(2002.02.21記載)