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2002年04月22日 WCRPが国連にアフガン難民支援寄金50万ドル贈呈

WCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会のウィリアム・ベンドレイ事務総長ら4人は4月22日(現地時間)、ニューヨーク・国連本部を訪れ、アフガニスタン難民をはじめテロ関連被災者に対する救援金の第2期寄金50万ドルをコフィ・A・アナン国連事務総長に寄贈しました。同国際委は昨年の米国同時多発テロ事件発生、米英両軍などによるアフガニスタン攻撃という事態に際し、アフガニスタン難民などに対する救援募金(100万ドル)を実施。本会もこの動きを受け、昨年末まで「多発テロ関連被災者救援募金」を展開し、浄財をWCRP国際委に寄託しました。昨年10月、ニューヨークで「世界の諸宗教指導者による国際シンポジウム」が開催された折、庭野日鑛・立正佼成会会長からルイーズ・フレシェット国連副事務総長に第1期寄金50万ドルが手渡されており、今回と合わせ、寄金の総額は当初の計画どおり100万ドルとなりました。

ベンドレイWCRP国際委事務総長はじめレオニード・キシュコフスキー師(同国際委副実務議長)、ファリダ・アリ女史(同国際委会長)、杉野恭一・同国際委事務総長補(立正佼成会から派遣)の4人は4月22日、ニューヨーク・国連本部の事務総長室にアナン国連事務総長を訪ねました。
ベンドレイ氏が寄金の小切手を手渡すと、アナン事務総長は「宗教の曲解から対立や紛争が引き起こされている国際情勢の中で、今回の寄付が諸宗教の協力によってなされたことに大きな意義があります。立正佼成会会員の皆さまのリーダーシップと草の根の活動によるこの寄付に深く感謝し、皆さまに敬意を表します。国連加盟国の中には、分担金の拠出に消極的な国もありますが、宗教教団が率先してこうした寄付をしてくださったことに深い感銘を覚えます」と述べました。
約20分にわたる懇談の中で、ベンドレイ氏は、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム間の対話、諸宗教間外交など中東和平に向けたWCRPの取り組みも紹介しました。アナン事務総長は、昨年10月の「世界の諸宗教指導者による国際シンポジウム」によって強化された国連とWCRPのパートナーシップを今後も継続していきたい、との意志を表明。宗教者の平和に対する役割、宗教協力を推進するWCRPの使命の重要性を強調しました。
また、WCRPがパレスチナ自治政府諸宗教対話大臣タラール師とイスラエル宗教大臣メルキュワ師による中東和平に向けての共同宣言の発表に取り組んでいることに話が及ぶと、アナン事務総長は「実現のあかつきには、ぜひ私にも宣言文を送ってください。イスラエルとパレスチナの宗教者が平和のために一致協力して取り組んでいることを、国連を通して国際社会の多くの人々に伝えていきたいのです」と述べました。

アナン国連事務総長、ベンドレイWCRP国際委事務総長からのメッセージ

WCRP(世界宗教者平和会議)によるアフガニスタン難民などテロ関連被災者に対する救援寄金の動きに呼応し、立正佼成会では昨年末まで「多発テロ関連被災者救援募金」を展開しました。会員による献金のほか、街頭募金など活発な活動を通し市民からも篤志が寄せられ、浄財はWCRP国際委員会に寄託されました。4月22日、ニューヨークでの第2期寄金贈呈に伴い、同寄金への立正佼成会の貢献に対して、コフィ・A・アナン国連事務総長とウイリアム・ベンドレイWCRP国際委員会事務総長から、庭野日鑛・立正佼成会会長に宛てて、お礼のメッセージが届きました。

【アナン国連事務総長メッセージ】

親愛なる庭野先生

今週、WCRP(世界宗教者平和会議)から、アフガニスタンの危機的な状況の中で難民や避難民となった人々に対し、新たに義援金として50万ドルの小切手をお贈り頂き、大変光栄に存じます。WCRPから頂いたアフガニスタンの難民・避難民への義援金の総額は、今回のご寄付を合わせますと100万ドルに達します。
立正佼成会は、貴殿のご指導のもとにこの支援活動に取り組んでこられたと理解しております。貴殿のこのたびの甚大なるご親切と寛大な行為に対し、心より感謝申し上げます。
このたびの寄付のために尽力された立正佼成会をはじめとする諸宗教団体は、宗教者が人類の名のもとに一致協力する時、前向きな役割を果たし得ることをあらためて実証されました。貴殿による寛大なイニシアチブは、平和のためには宗教を異にする人々が手をつなぎ合えるという事実を、世界の人々に向けて示すものです。WCRPを通して受領いたしました寄付金は、アフガニスタンの人々をはじめ、国の復興や生活の再建を目指すアフガニスタン国民の支援者に対し、あたたかい心を送り届けるものです。
このたびの寛大な寄付金をお寄せくださったすべての皆さまに、私の心からの謝意をお伝えくださいますようお願いいたします。

敬具

2002年4月25日

国連事務総長  コフィ・A・アナン

【ベンドレイWCRP国際委事務総長メッセージ】

2002年4月22日

親愛なる庭野会長先生、ならびに立正佼成会の皆さま

テロの原因となった苦悩にあえぐ人々、そしてテロの被害に苦しむ人々の双方に向け、立正佼成会の皆さまが示された連帯に対し心より感謝の意を表します。
皆さまの寛大な行為は、罪の無いアフガニスタンの人々や、ニューヨークで愛する人を失った家族たち、そして中東での争いに苦しむ人々の救いとなっています。また、WCRP(世界宗教者平和会議)を通して、平和のために協働している世界の諸宗教を支援しています。
今からわずか数時間前、コフィ・アナン国連事務総長は、立正佼成会会員の皆さまに対し、直々に感謝の意を述べられました。「一食を捧げる運動」やその他の献身的な活動を通して、立正佼成会のみなさまがブッダの慈悲を理解し実践しておられることを、私は事務総長に申し上げ、集められた基金が苦しむ人々の支援に使われているということをお伝えしました。事務総長は感銘され、一人ひとりの会員の皆さまや、各家庭、各教会による積極的な関わりにより、大きな結果が生まれるものですね、と語っておられました。
アナン事務総長はまた、立正佼成会の皆さまがWCRPを通じて支援を表明されたことに対し、みなさまの無私の決断が、その寛大な行為をさらに力強いものにしていると述べられました。宗教の異なる人々が平和に向けて手を携えていく上で、立正佼成会の行動は大きな励みとなるものです。
WCRPメンバー全員の衷心からの感謝をここにお伝えさせて頂きます。皆さまが実践を通して示してくださったブッダの慈悲に触れ、私たちは皆、より一層の共なる挺身に向け意を新たにしております。

愛と尊敬の念とともに。

敬 白

ウイリアム・F・ベンドレイ

(2002.05.08記載)