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2002年08月08日 佼成病院が創立50周年迎える

立正佼成会附属佼成病院(大場英巳院長)が創立50周年を迎え、その記念式典、記念講演会、祝賀会が8月8日、セレニティーホールと第二団参会館で行われました。開設者である教団を代表して山野井克典理事長らが列席したほか、来賓、病院功労者、同職員ら420人が参加しました。

佼成病院は1952年8月10日に開院されました。木造2階建てで5つの診療科を擁してのスタートでした。その後、東館、西館などの増改築があり、診療センターが落成した1976年に、いまの形態が整いました。現在、19の診療科に1日平均1200人の患者を受け入れ、職員約500人が一丸となり地域医療に貢献しています。
 セレニティーホールで行われた記念式典の冒頭、あいさつに立った大場院長は、こうした歩みにふれたあと、病院開設の理念である観音経の一句『真観』を紹介しました。「患者の心の痛みの分かる医師として治療にあたるように」という庭野日敬開祖の願いを振り返りながら、「地域住民のニーズに十分応えられるよう、真観をもち良質の医療を提供したい」と話しました。
 続いて、教団を代表して山野井理事長が「愛の言葉が早期治療に役立つ」と話し、医療にたずさわる者と患者との心のこもった触れ合いに期待しました。また、高齢化が進み医療費が伸びるなどの医療の諸課題に対しては、「院長はじめ多くの人と努力していきたい」として、医療を通してさらに社会貢献していく意向を示しました。
 地域貢献のひとつとして佼成病院は、東京・中野区内の開業医との協力体制を整えるため、院内に医療連携室を設置しています。これにより患者の紹介などがより迅速、緊密に行われるようになりました。中野区医師会会長の宮嶋健昭氏は祝辞の中で、「顔の見える医療連携を進められ、こんなに素晴らしいことはありません。医師会と佼成病院が今後も手を携え、地域医療を充実させたい」と話しました。
 引き続きセレニティーホールで行われた記念講演会では、放送タレントの永六輔氏が、医療に携わる者と患者とのコミュニケーションや在宅医療について、さまざまな事例を紹介しました。真のホスピタリティとは患者の願いを叶えること、患者一人ひとりの心を読み取るアンテナの感度は医師の人間性によること、患者に対して言葉が力を持つことなどを強調しました。
【佼成病院50年のあゆみ】
佼成病院は、立正佼成会の社会事業の一端を担い、1952年8月10日に開設されました。
佼成会では草創期、入会したことにより病気が快癒するという体験が数多く語られていました。しかし、庭野日敬開祖、長沼妙佼脇祖の考え方は一貫していました。「心の病は法座で、身体の病気はお医者さんで......」。病院開設は、庭野開祖、長沼脇祖の医療に対する明確な意向が反映されたものでもありました。
当初、木造建築2階建て、診療科5部門、病床23床でスタート。この50年間で施設は拡充され、現在では万全の医療設備をそろえ、診療科19部門、病床363床と国内でも有数の総合病院に発展しました。
この間、さまざまな変遷をたどりました。1957年4月、耐久と耐火を考慮し、地上4階地下1階の鉄筋病棟を増築しました。1959年には、敷地内への地下鉄乗り入れの申し出を受け、全ての木造病棟を取り壊し、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上7階地下1階、病床217床の本館(現東館)が建てられました。診療センターが完成し、ほぼ現在の威容が整うのは1976年のことです。
1977年、創立25周年記念誌に、庭野開祖は次のような言葉を寄せています。
「診療センターの完成に際し、病院に対する私の信条をあらわすものとして、想いをこめ『真観』の二字を寄せさせていただきました。眼に見える"物の表面"だけにとどまらず、その奥に潜んでいる本質をも見とおすことを『実相を観ずる』と仏教では教えております。『真観』というのも同じ意味であります。心身の病を診療し治療せしむる病院でありたい。そのように願っておるものであります」
この『真観』を、基本理念として、同病院の日々の医療活動が行われています。
同病院では、これまでにさまざまなボランティア活動にも携わってきました。1985年には、「難民救済医療団」のメンバーとして医師や看護婦がアフリカのスーダンに派遣され、栄養失調や感染症で苦しむ難民たちの医療に半年間従事しました。
1995年の阪神大震災では、最も被害の大きかった神戸市長田区に医療チームを派遣し、活動を展開しました。同区役所の仮診療所を拠点として、数カ所の避難所を巡回。地震による負傷者、寒さで風邪をひいた人などの診察にあたりました。他にも、薬や注射器などの医療器具を提供し、被災者の健康維持に尽力しました。
現在では、特に地域貢献、地域との協力体制づくりに力が注がれています。地域医療の充実を目指し、東京・中野区内の開業医との協力体制を整えるため、院内に医療連携室を設置。また、患者や市民らを対象に、予防医学の観点から「健康教室」を開催しています。毎年5月の「看護の日」には、無料で体脂肪や血圧の測定、福祉や栄養についての相談なども実施。病院ボランティアを募り、新しい形の患者サービスの充実にも取り組んでいます。
渡辺雅弘・同病院事務長は、50周年に際し、次のように語ります。
「総合病院のほとんどは、地域中核型といって、病院から半径5キロ以内に住んでいる方が診察に訪れます。しかし、佼成病院の場合、患者さんの多くは地域の方ですが、全国各地からも信者さんが足を運んでくれるのです。立正佼成会の附属病院だということが、大きな信頼感につながっているのだと思います。私たちは、この50周年を機に、開祖さまから頂いた『真観』をあらためて職員の中に浸透させ、一人ひとりが真の眼を養い、患者さんと接していけるよう努めてまいりたいと思います」

(2002.08.14記載)