News Archive

2002年10月04日 開祖さま入寂会

「開祖さま入寂会」式典が10月4日、大聖堂をはじめ全国教会で執り行われました。庭野日敬・立正佼成会開祖の入寂後3年目の祥月命日となったこの日、大聖堂には、全国166教会から団参で訪れた会員代表約4400人が参集しました。

「開祖さま常住此説法(じょうじゅうしせっぽう)のご座処」であり、庭野開祖のお舎利が奉安される「一乗宝塔」では、大聖堂式典に先立ち、「開扉の儀」が行われました。
庭野日鑛会長の手で「一乗宝塔」の扉が開けられると、居合わせた多くの会員が合掌して見守りました。続いて、三霊山の一つ比叡山延暦寺から贈られた石が納められ、庭野会長、山野井克典理事長、光祥さまが、それぞれ献花台に花を奉じました。
大聖堂での式典は、東京佼成ウインドオーケストラの序奏で開始。緞帳が上がり、満面の笑みを浮かべて法話に立つ庭野開祖のご尊影が聖壇上に現われると、会場から拍手がわき起こりました。
「献供の儀」では、19教区から寄せられた名産品や庭野開祖が各地を訪問した際に供された品々が、各教区代表の青年女子部員20人によって奉納されました。次いで行われた「開祖さまとの対話」。スクリーンに在りし日の庭野開祖の姿が映し出されると、会員たちは目頭を押さえ、恩師を懐かしみました。『妙法蓮華経如来寿量品第十六』を朗々と読みあげる庭野開祖の読経の声が流れ、迎えた入寂の時刻、10時34分――。会員たちは庭野開祖の遺徳を偲び、それぞれの決意を新たにしました。
このあと、庭野会長導師のもと読経供養。続いて庭野会長が「報恩讃歎文」を奏上し、聖壇上で焼香を行いました。
讃歎歌『みこころに生きる』を全員で合唱したあと、『開祖さまを偲んで』と題し、内田昌孝・元理事長があいさつ。内田氏は、庭野開祖が庭野会長に「日鑛」という法名をおくった思いを述懐し、「『皆が求めていけば、日鑛は、必ず救いを与えてくれる。これからしっかり頑張るように』と開祖さまは言われました。私たち一人ひとりが求道し、会長先生の教えのもとに一致団結して精進することを、入寂会にお誓いしたいと思います」と力強く語りました。
このあと法話に立った庭野会長は、庭野開祖が分かりやすく教えてくれたこととして、『三法印』(諸行無常、諸法無我、涅槃寂静)や『一切皆苦』の教えを引用。「仏さまの教えの根本を分からせて頂き、苦の現実を直視すれば、乗り越えるにはどうすればいいかが分かります」と述べ、仏教の根本を踏まえて生きる大切さを明示しました。
その上で、「苦の乗り越え方は法華経の中にあの手この手で説かれており、要は、菩薩行を通して真理・法を人さまに伝えることが幸せになるもとであります」と、法華経に示される人間のあり方を説きました。
また、「仏教では仏の子、キリスト教では神の子と言われますが、あらゆる宗教の人、あるいは宗教を持たなくても、みんないのちの子と言えます」と述べ、庭野開祖の「一乗」の精神を力説。さらに、「世界の真の平和を考える時、いのちの子として、みんなが兄弟姉妹であるという大らかな気持ちになっていく。それが今、最も大事な時」として、世相に最も求められることが「一乗」の精神であると強調しました。
式典終了後、大聖堂4階ホールの聖壇前には焼香台が設けられ、恩師を偲び焼香に並ぶ会員の長い列が続きました。

(2002.10.09記載)