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2002年10月20日 世界平和祈りの週間、10月20日より始まる

世界の宗教者が、時を同じくして平和のために祈りを捧げる「世界平和祈りの週間」が今年も10月20日から27日までの8日間にわたって行われます。仏教、キリスト教、ヒンズー教など世界37団体による「祈りのネットワーク」に本会も参画。期間中、大聖堂はじめ、全国各教会、各家庭で読経供養と併せて日ごとにテーマが設けられた『世界平和祈りの言葉』が読み上げられます。また、多くの教会では、地域の諸宗教者と合同の「集い」などが活発に展開され、宗教協力による祈りが捧げられます。

本会が「祈りの週間」に参画して16年。特に、今年は、米国同時多発テロ事件、アフガニスタンへの武力攻撃をはじめ、イスラエル・パレスチナの衝突、米国政府が示唆しているイラクへの武力攻撃など、現在の国際情勢を踏まえて『世界平和祈りの言葉』が作製されました。「祈りの言葉」の前に読み上げる「意義と目的」の中には、テロや紛争で犠牲となった人々の冥福を祈るとともに、紛争のない世界を築いていくことの大切さを強調する言葉が加わりました。また、10月24日の「国連創設記念日」に唱和する「祈りの言葉」には、かつて庭野開祖が国連特別総会で演説した『危険をおかしてまで武装するよりも、むしろ平和のために危険をおかすべきである』という言葉と、米国同時多発テロ事件以降、庭野会長が示した法句経の一節『まことに怨みは怨みによっては消ゆることなし。怨みは怨みなきによってのみ消ゆるものなり』が盛り込まれました。
期間中、参加者は、紛争集結や差別の克服、暴力に暴力で対抗していくことのない世界の実現を目指し、8日間、宗教者としての真摯な祈りを捧げるとともに、宗教者としての「決意」を新たにします。
【実施期間】
10月20日~10月27日

【実施内容】
大聖堂、全国各教会、各家庭で、毎朝のご供養前に「意義と目的」を朗読し、日替わりでテーマを設けた「世界平和祈りの言葉」を読み上げます。また、会員各家庭で「祈りの言葉」を実践します。

【参加団体】
英国国教会平和の信徒会、仏教協会、武器貿易反対キャンペーン、キリスト教平和委員会、英国バハイ教全国宗教議会、ローマ・カトリック諸宗教委員会、シーク教聖信徒会、国際連合協会、世界宗教者平和会議、立正佼成会など37団体。

『意義と目的』

信仰をもつ私たち一人ひとりが、人類家族の一員として心を一つにし、「平和」という目的のために"祈り"を捧(ささ)げる時、強い連帯感と一体感が生まれます。この"祈り"によって生まれた一体感こそが、私たち宗教者としての使命をより確かなものとし、宗教協力の輪をさらに広げる力となります。
世界はさまざまな問題に直面しています。特に、昨年9月11日、米国で発生した同時多発テロ事件およびアフガニスタンへの報復攻撃は、数多くの犠牲者を生み出しましたが、その後も今日まで、イスラエル・パレスチナ問題やイラク問題等を含め世界情勢はさらに悪化し、いままさに一触即発の危機的状況下にあります。平和境の建設は、この地球上の誰にとっても、自分自身の問題であることに、あらためて気づかされます。
私たちは、かけがえのない命を奪われた数多くの方々のご冥福(めいふく)を心から祈ります。同時に、世界各地の紛争が一日も早く解決し、もうこれ以上の争いが広がらないよう、心を一つにして祈りを捧げます。そして、私たち仏教徒は「怨(うら)みは怨みなきによってのみ消ゆるものなり」という宗教的智慧(ちえ)を広く世の中に伝えていきたいと決定(けつじよう)するものです。
世界の信仰をもつ人々と共に、時を同じくして、世界平和を祈念する私たちの真心は、必ずや神仏の御(み)心に届き、一乗の世界を実現する大きな原動力となることを確信します。
10月24日の国連創設記念日をはさんだ8日間、世界と日本の平和を私たち自身の身近な問題として見つめ直し、平和への「祈り」と「決意」を深めましょう。

(2002.10.18記載)