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2003年03月14日 イラク問題の平和的解決願い、新宗連が小泉首相に要望書提出

新宗連(新日本宗教団体連合会)は14日、小泉純一郎首相に対し、『国際的緊張の平和的解決を求める要望書』を提出しました。同日午前、深田充啓理事長、庭野日鑛副理事長、宮本けいし妙智會教団理事長(宮本丈靖副理事長代理)、斎藤謙次事務局長が首相官邸を訪れ、福田康夫官房長官に手渡したものです。

要望書は、イラクへの武力行使が現実味を帯びていることを踏まえ、「絶対非戦」を貫く立場から、『戦争の回避と武力によらない平和的手段による問題解決のため、政府において最大限の外交努力』を要請しています。
首相官邸内の官房長官室で行われた会見では、深田理事長が、要望書を手渡し、その趣旨を説明。これに対し福田官房長官は、イラクが大量破壊兵器、化学兵器を保持している危険性を指摘し、国際社会が一致して圧力をかけていく重要性を強調しました。

新宗連要望書(全文)

平成15年3月14日
内閣総理大臣
小泉 純一郎 殿

新日本宗教団体連合会
理事長 深田 充啓

国際的緊張の平和的解決を求める要望書

拝 啓 小泉総理におかれましては日々国政への刻苦精励、大慶至極に存じます。
 さて、イラクの大量破壊兵器保有問題をめぐり、国際的な緊張が日ごとに高まってきておりますが、新日本宗教団体連合会(新宗連)は、「絶対非戦」を貫く立場から、戦争の回避と武力によらない平和的手段による問題解決のため、政府において最大限の外交努力を傾注されますよう要望申し上げます。
新宗連は昭和26年の結成以来今日まで、「宗教協力」による人類の福祉と世界平和への貢献を目的として活動を展開しております。この新宗連の活動を支えている理念は、日本国憲法に謳われている「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の精神であります。私たち新宗連加盟教団の全信徒1200万人は、あらゆる人のいのちが尊ばれることを、そしてお互いがいのちを尊んでいくことを大きな理想とし、平和のための活動を推進しております。
 また、新宗連は、毎年8月14日夕、国立・千鳥ヶ淵戦没者墓苑において「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」を開催し、戦争で犠牲となった全世界のあらゆる人々に祈りを捧げるとともに、「どのような状況の中にあれ、戦争を起こしてはならない」という「絶対非戦」への誓いを重ねてきました。去る2月15日には新宗連首都圏総支部の主催により、同墓苑に4800人が参加し、「すべてのいのちを尊ぶ世界」実現を祈念する集いを開催しました。そして、武力による問題解決の否定と、武力行使が人々を報復や復讐に駆り立て、新たな武力を生みだすこと、さらに今こそ報復と復讐の連鎖を断つべき時であることをアピールいたしました。
申し上げるまでもなく、日本国憲法は「戦争の放棄」を謳い、さらには「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことを高らかに宣言しております。政府におかれましては、日本国憲法の精神を踏まえ、関係各国政府をはじめ国連、国際原子力機関等に対し、平和的手段による問題解決を訴えていかれますよう、重ねて要望いたします。

合 掌

(2003.03.20記載)