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2003年07月11日 佼成図書館開館50周年記念式典

立正佼成会付属「佼成図書館」が、開館50周年を迎え、記念式典が7月11日、同館視聴覚ホールで執り行われました。教団関係者、図書館関係者、来賓など49人が参加。島薗進・東京大学文学部教授が『宗教専門図書館に期待されるもの』と題し、特別講演を行いました。また、第2部の祝賀会では、教団を代表して山野井克典理事長があいさつしました。

記念式典の冒頭、相澤宏至館長は、佼成図書館が、(1)宗教専門図書館(2)一般市民に開かれた図書館(3)中央学術研究所の一部門としての機能(4)教団における資料センター的機関、の4つの役割を担っていることを説明。「このような役割が果たせるのも、開館以来、図書館を支えてくださった先輩方、関係者の方々のおかげさまです」と謝辞を述べました。
島薗教授は、「特別講演」の中で、オウム真理教事件や湾岸戦争、米国同時多発テロ事件などの影響で、「宗教不信」が強まっている一方、「ヨーガや巡礼などの、スピリチュアル(霊的)な世界を求める人は増加している」と分析。その上で、「宗教文化、宗教知識に触れたいというニーズは広まっています。メディアやインターネットなどを通して、多くの情報が手に入れられる中で、宗教専門図書館は、正確な情報を提供する重要な役割を担っています。宗教研究者だけでなく、一般の人々にも、"宗教学の入口"として、広く利用されることを期待しています」と語りました。
第2部として行われた祝賀会では、山野井理事長があいさつに立ち、「おかげさまで開館50周年を迎えました。今後、宗教専門図書館として、さらなる充実を図っていくことを願っています」と述べました。 
「佼成図書館」は、1953年7月1日、教団内外での宗教情操の涵養、宗教知識・情報の普及を願う庭野日敬開祖、長沼妙佼脇祖の意向により、落成直後の行学園の施設内に開館しました。会員の教学研さんとその子弟の教養育成、さらには広く社会に公開し、地域社会に貢献すること、宗教の学術研究に資することを目的としています。
開館当初は、庭野開祖が所蔵していた「庭野蔵書」(大正新脩大蔵経ほか約1100点)、文学博士の渡辺楳雄・元鶴見大学学長(故人)旧蔵の「渡辺文庫」(2300点余)を基本図書としていました。その後、仏教書をはじめ、宗教全般の出版物を多数取り入れ、多くの専門家やマスコミ関係者から注目を浴びました。現在では、宗教書、一般図書など15万冊を所蔵。逐次刊行物や視聴覚資料なども多数収められています。2001年末には、教団の組織改編に伴い、中央学術研究所の一部門に組み入れられ、一般公共図書館的役割と同時に、本会の資料センターとしても期待されています。

(2003.07.18記載)