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2003年08月01日 立正佼成会一食平和基金「教区・教会一食平和基金運営」プロジェクト始まる

立正佼成会一食平和基金運営委員会(委員長=松原通雄外務部長)はこのほど「教区・教会一食平和基金運営」のプロジェクトを試験的にスタートさせました。これは、教区、教会が主体となって、会員による「一食を捧げる運動」の浄財を運営、活用するもの。同委員会の厳正な審議により、千葉教区、中部教区、金沢教会、足利教会が対象として選ばれました。各教区、教会ではそれぞれ運営委員会を立ち上げ、同委員会と連携しながらプロジェクトを進めています。

このプロジェクトは、第9次教団基本計画の一つ「布教伝道に資する会員参画型の平和・社会活動の推進」に基づいて実施されるもの。従来、「一食を捧げる運動」の浄財は「立正佼成会一食平和基金」に送金され、同運営委員会によって使途が決定されてきました。一方で、教区・教会でも同運動の精神に基づいた平和・社会活動が活発に行われている傾向にあることから、同委員会では、会員による「一食平和基金」の運営、活用を試験的に実施することを検討。これまでの同運動の取り組みなどを考慮した上で、千葉教区、中部教区、金沢教会、足利教会を「モデル教区」「モデル教会」に選定しました。
プロジェクトの目的は以下の3点。
(1)「一食を捧げる運動」のさらなる推進を図るとともに、会員がより主体的となって平和・社会活動を実践していく
(2)一食平和基金の運営を通し、顔の見える活動や出会いという社会布教をする中で、自らの信仰心の醸成につなげていく
(3)教区・教会における平和・社会活動を担う人材育成を行う。
各教区、教会では「教区委員会」「教会委員会」および事務局を設置し、運営計画書の作成や予算の編成などを行っていきます。活動予算は、その教区、教会の会員による「一食運動」の浄財があてられます。人的、物的、財的貢献を基本とした平和活動が地域レベルで実施されることになります。
このプロジェクトでは、「立正佼成会一食平和基金運営委員会」を「本部委員会」とし、各地の委員会は、本部委員会と連絡を密にとりながら、それぞれの活動を進めていきます。本部委員会では、今後、段階的に対象を広げていく意向です。

教区・教会のプロジェクト内容

千葉教区
タイ農村部の初等教育支援プロジェクト

【目的】
(1)農村部での学校教育支援を通して都市と農村の教育格差の解消を目指す
(2)上座部仏教徒である農村住民への奉仕と交流を通し、異文化への理解と共生の大切さを身につけた人材の育成を目指す
(3)教区各教会において「一食を捧げる運動」への関心、理解を一層深め、実践の意欲を高める

【内容】
同教区では1996年に一食平和推進委員会を発足し、各教会の青年代表が中心となって、一食運動を推進してきました。また、同運動の精神に基づいて平和のために貢献できる人材の育成を目指し、海外交流や平和学習会などを積極的に行ってきました。今回のプロジェクトでは、タイの農村地区に教区代表のボランティア(30人程度)を派遣し、学校や運動場、通学路などの設備改善を行います。また、各教会で学用品や運動用具、楽器などを集め、贈呈します。

中部教区
一食を捧げる運動推進の集い

【目的】
市民を対象とした一食運動の啓発イベントを外部会場で開催し、信頼感を育みながら、趣向を凝らした企画を通して分かりやすく一食の精神を伝える。また活動を通し、参加者一人ひとりが信仰心を深めるとともに、教区・教会で平和・社会活動の担い手となる人材の育成をはかる。

【内容】
中部教区では1997年から、「フィリピン・大学生の翼」(2003年で16回目)参加者と中部教区大学生活動推進委員会(CDI)が主体となり、市民を対象とした一食運動の啓発イベント「一食ピースステーション」を開催してきました。そうしたことを土台に、2003年は11月8、9の両日、大学生で構成される実行委員会が中心となり、名古屋市金山総合駅でイベントを開催します。また、新規事業として、一食の精神を一般市民のみなさまにもご理解いただけますよう、愛知県では講演会を、岐阜・三重の各県では、同基金の支援先代表者による報告会を開催します。これらの新規事業は、一食平和基金の支援対象プロジェクトとなっています。

金沢教会
ラオス学校建設プロジェクト

【目的】
ラオスの将来を担う子供たちの教育を支援し、同国の発展を促す。また、地元NGO(非政府機関)と合同で実施することにより、草の根の活動を発展させ、かつ、多くの人に一食を捧げる運動をアピールする。これらを通し、平和・社会活動を担う人材を育成する。

【内容】
東南アジアの中でもラオスは最貧国のひとつで、教育環境が悪く、学校数も不足しています。同国の発展のため、子供たちの教育を受ける機会の増加と質の良い教材の提供が必要とされています。同教会一食推進委員会は、ラオスに学校を建て支援を継続している石川県日ラオス友好協会との合同プロジェクトとして小学校の改築を計画。同協会の協力を得て、建設地の選定、学校の建築仕様などを検討し、さらに、現地業者との各種契約、建設後の運営方法の確認等、順次計画を進めていく予定です。8月中旬に現地調査を行い、着工は11月、来春に竣工する予定です。

足利教会
世界の子供たちのための一食運動プロジェクト

【目的】
(1)世界のことを考え平和活動に貢献できる青少年を育成する
(2)一食運動の精神である「祈り」「同悲」「布施」の実践を通し、自らダイナミックに平和運動のできる信仰青年を育成する
(3)平和建設の必要性を学び、青年による一食運動の社会運動化を目指す

【内容】
足利教会では、平成11年から青年部リーダーが育成され、青年たちが主体となって一食運動を実践しています。2002年6月、久保田光英教会長が、地域在住のカンボジア難民、オク・ビチェイ氏と出会い、交流を続けてきたことから、カンボジアでの学校建設に着手することになりました。学校、遊具、井戸、トイレ設備等の建設および修復や現地の子供たちとの交流、古着や食糧品の配布ボランティア活動を計画。8月5日には「青年カンボジア・ボランティア隊」を現地へ派遣しました。

(2003.08.01記載)