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2003年12月09日 仏教NGOネットワークが第2回研修セミナーを開催

庭野平和財団が支援するBNN(仏教NGOネットワーク)の第2回研修セミナーが12月9日、奈良市の東大寺・金鐘会館で行われました。テーマは『仏教と国際協力――国際協力と仏教NGO』。仏教各宗の僧侶、本会奈良教会会員ら70人が参加しました。

当日は、『仏教による社会活動と国際協力――日本の学び、スリランカでの実践』をテーマにスリランカ僧侶のウィマラ・シロガマ師が講演しました。ウィマラ師は、スリランカ上座部仏教僧として出家後、1977年、大乗仏教修学のため奈良市の元興寺で得度。帰国後、両親のいない子供のための学校運営やソーシャルワーカーの育成に尽力するなど福祉活動家としても活躍しています。
講演の中で、ウィマラ師は、大乗仏教の精神を学び、福祉活動に携わるようになった経緯を紹介した上で、国際協力のあり方に言及。海外からの一方的な援助による大規模施設の建設、支援国側の文化を強要するような教育が行われていることにより、援助依存や文化摩擦が生じている現状に触れ、「支援には、相手国の市民が本当に何を必要としているのかを見極め、その国の歴史、文化、生活水準を尊重していく姿勢が不可欠です。互いに学び合うことが大事であり、そこから信頼関係は生まれる」と強調しました。
このあと、特定非営利活動法人「開発教育協会」の協力によってワークショップ「世界がもし100人の村だったら」を実施。参加者は、世界の人口構成や貧富の差などを体感しながら、世界の現状を学びました。
続いて、国際協力に携わる宗教者らによるパネルディスカッションが行われました。「れんげ国際ボランティア会」会長の川原英照師(眞言律宗別格本山蓮華院誕生寺貫主)、「アジア・アフリカ国際奉仕財団」の常盤勝範師(南法華寺住職)、財団法人「PHD協会」総主事代行の藤野達也氏がパネリストとして参加。BNN事務局長の茂田真澄師(アーユス仏教国際協力ネットワーク理事長)がコーディネーターを務めました。3人のパネリストは、アジアを中心に行っているそれぞれの活動内容を紹介し、そこから得た喜びや失敗談などを披露しました。

(2003.12.19記載)