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2004年03月27日 WCRP日本委 第30回平和のための宗教者研究集会

『平和をめざす人類と大自然』をテーマに、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会は3月27日、東京・千代田区のカトリック聖イグナチオ教会で「第30回平和のための宗教者研究集会」を行いました。諸宗教者、市民など440人が参加しました。

集会は、地球環境問題が平和を脅かす原因の一つであるととらえ、宗教者として何ができるかを探るものです。今回は、水のむだ使いや汚染、森林破壊がすべてのいのちに重大な影響を及ぼしている事態を受け止め、人間の価値観を転換する必要を訴える集会となりました。
まず、白柳誠一・WCRP日本委員会理事長=カトリック枢機卿=があいさつに立ち、「平和とは戦争がないというだけでなく、世界のすべての人が人間らしく生きられる状況をいう」と話し、環境問題がWCRPのめざす世界平和と直結している点を強調しました。
続いて、環境ジャーナリストの幸田シャーミンさんが『水と緑に生かされて』と題して基調講演。飲み水を容易に得られない人が地球上に10億人いる一方で、ペットボトルの水1リットルを作るのに17リットルが使われるといった見えないところで失われる「仮想水」の存在を指摘し、「私たちが何を口にするかが、水の使用量に影響している」と話しました。
さらに、環境よりも一時の便利さを優先する価値観を改める必要があるとした上で、「宗教はその価値観、ライフスタイルを変える力を持っている」と、宗教者の働きかけに期待を表しました。
このあと、パネルディスカッションが行われました。コーディネーターは、秩父神社宮司でWCRP日本委平和研究所所員の薗田稔師。パネリストとして、東京大学大学院教授で自然環境学に詳しい熊谷洋一氏、北海道沙流川を守る会代表でアイヌ神話語り部でもある山道アシリ・レラさん、幸田さんの3人が登壇しました。3人はそれぞれの立場から人と自然の関係に言及し、環境問題は心の問題であると強調しました。

(2004.03.17記載)