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2004年06月07日 第10回国連北東アジア金沢シンポジウム開催

北東アジアの平和と安全保障について議論する第10回「国連北東アジア金沢シンポジウム」(主催=日本国際連合協会)が、6月7日から9日まで、石川県の金沢市文化ホールで開催されました。国際機関はじめ、アジア・太平洋9カ国から専門家など36人が参加。立正佼成会から神谷昌道外務部次長が出席しました。10周年を迎えた今シンポジウムでは、過去9年間にわたる会議の成果と、北東アジアの現状、課題点などが話し合われました。

シンポジウムは、平成7年にスタートして以来、毎年、金沢市で開催されています。政治的、軍事的に複雑な問題を抱える北東アジアに焦点をあて、国連関係者や軍縮などの専門家が信頼を醸成しながら、地域の平和と安定に向けた具体的な取り組みについて議論してきました。参加者が軍縮や安全保障、経済、環境などさまざまな問題について個人の立場で討議を行うことが特徴です。
立正佼成会では、国連支援の一環として、平成8年から「一食平和基金」を通し、資金助成を続けています。今年も、シンポジウム開催費用として、立正佼成会一食平和基金から300万円、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会から100万円がそれぞれ支援されました。
初日の全体会議Ⅰは、『金沢プロセス10周年』をテーマに、シンポジウムの成果と課題が話し合われました。
オーストラリア国防アカデミーのジェームス・コットン教授は、シンポジウムが毎年行われることで北東アジアの安全保障問題に関する対話の場が確保されてきた点を最大の成果に挙げました。その上で、「今後も地域が抱える諸問題を解決するため、先導的役割を果たしていくべき」と期待を寄せました。張雲方・中国国務院発展研究センター副局長は、同シンポジウムの協力団体である国連アジア太平洋平和軍縮センターの協力機関として、石川県に「北東アジア金沢プロセス推進センター」を開設することを提案しました。
続いて行われた質疑の中で、神谷次長は、「シンポジウムではこれまで経済問題や人間の安全保障など、軍縮以外のテーマについても議論されてきました。政府関係者をはじめ、ジャーナリストやNGO(非政府機関)の代表が個人の資格でシンポジウムに参加し、討議を行う中で、公正で均衡のとれた提案を示すことができました」とシンポジウムの成果を述べました。
このほか全体会議では、『大量破壊兵器の拡散問題』『朝鮮半島』『人間の安全保障』『食料、エネルギーと環境の安全保障』などのテーマについても意見が交わされました。
杉谷義純・WCRP日本委員会事務総長は、宗教者の立場から『人間の安全保障の概念と実施』をテーマに発言。「人間の安全保障を進めるためには、異文化、異宗教の壁を超え、違いを認識し、相手を尊重しながら対話を深めていくことが大切」と提言しました。
また、シンポジウムのプログラムの中で、清水義和・国連協会理事と議長の石栗勉・国連アジア太平洋平和軍縮センター所長から、長年にわたる立正佼成会一食平和基金の支援に対し謝意が述べられました。

(2004.06.18記載)